-世界的な数学研究ネットワークに日本から京大が唯一参加-

概要

文部科学省スーパーグローバル創成支援事業「京都大学ジャパンゲートウェイ構想」における数学系ユニット(本学理学研究科数学・数理解析専攻および数理解析研究所)では、日・独・米・仏・中の五ヵ国の著名な数学研究機関の間で、国際的な環境での大学院生および若手研究者のさらなる交流を目的とする研究交流協定「グローバル・マス・ネットワーク」を平成29年8月に締結しました。11月21・22日には協定締結記念式典がドイツのボンにおいて開催されました。

 

【参加大学】

京都大学 大学院理学研究科数学・数理科学専攻および数理解析研究所(日本)
ボン大学Hausdorff Center for Mathematics(ドイツ)
ニューヨーク大学Courant Institute of Mathematical Sciences(米国)
パリ高等師範学校(ENS)Département de Mathématiques et Applications(フランス)
北京大学 北京国際数学研究中⼼(中国)

ネットワーク構築により期待される国際交流

  • 博士課程学生を数ヶ月間パートナー大学が受け入れ
  • 研究の発展と国際交流ネットワークの構築を支援
  • 博士課程学生のための学術イベントを共催

背景

國府 数学・数理解析専攻 教授/数学系ユニット⻑

本学大学院理学研究科数学・数理解析専攻と数理解析研究所は、数理科学の広範な分野をカバーする世界最高水準の研究者集団を擁しており、時代を先導する数学研究を数多く行って来た伝統を持っています。京都大学ではこの両者が協力して数学の教育と研究を行っており、構成員や卒業生は世界的に著名な賞を受賞、あるいは国際数学者会議で基調講演者に選ばれるなどの顕著な業績を挙げています。特に数理解析研究所は全国共同利用・共同研究拠点として毎年多くの研究集会を開催しており、第一線の外国人研究者も多数訪問するため、大学院生が自然な形で国際性を身につける環境が整っています。このような国際的評価に基づいて、本協定では世界的な数学の研究機関の一つとして、日本から唯一本学が加わったものです。

スーパーグローバル創成支援事業について

tgu.mext.go.jp/about/index.html

文部科学省では、世界トップレベルの大学との交流・連携を実現、加速するための新たな取り組みや、人事・教務システムの改革、学生のグローバル対応力育成のための体制強化など、国際化を徹底して進める大学を重点支援するため、2014年から「スーパーグローバル大学創成支援事業」を実施しています。同事業には世界レベルの教育研究を行う大学「タイプA(トップ型)」(13大学)と日本社会のグローバル化を牽引する大学「タイプB(グローバル化牽引型)」(24大学)の37大学が採択され、徹底した国際化と大学改革を進めています。

 

京都大学ジャパンゲートウェイ構想について

www.jgp.kyoto-u.ac.jp/

本学が十分な国際競争力を持つ分野を擁する大学院に、各分野の世界トップレベル大学と連携して実施する国際共同教育プログラム「スーパーグローバルコース」を設置します。各分野のスーパーグローバルコースにおいては、パートナー大学との共同科目の開設、博士論文の共同指導・査読等の取組を行うとともに、国際共同学位プログラム「ジョイント/ダブルディグリープログラム」の開発を進めます。これによる大学院教育の国際化と、入試改革、外国人教員の雇用促進、留学生の受入れおよび学生の海外派遣の増加、英語による授業の増加等、大学教育の様々な側面の国際化との相乗効果により、本学の研究・教育力の更なる強化を図り、世界で活躍する次世代のトップレベル研究者を輩出します。