2019年度 理学部・理学研究科各専攻のオープンラボが開催されました。
これは、例年4月から6月初旬にかけて、理学部・理学研究科の拠点である京都大学吉田キャンパス北部構内で開催されるものです。専攻によっては、「祭」と名付けて盛大に開催しています。
4月20日は生物科学専攻のオープンラボ・大学院入試説明会、5月17日は物理学・宇宙物理学専攻のローレンツ祭、5月25日は化学専攻見学会、5月31日は数学・数理解析専攻のガロア祭、6月7日は地球惑星科学専攻のヴェゲナー祭が開催されました。
これらのオープンラボでは、単に大学院の専攻紹介を行うだけでなく、理学部の学生が卒業研究を行うための情報を提供しています。
京都大学理学部は理学科の一学科しか存在せず、3回生で数学、物理学、化学、生物学、地球科学などの分野に登録し、4回生で卒業研究を行うカリキュラムになっています。
将来の専攻を決める1、2回生のためにも、各専攻の研究室に所属する教員や学生がどのような研究活動を行っているのかを、腕を振るって紹介します。
また、大学院進学者のための説明会も行われ、理学部や京都大学以外の学生へも参加の門戸を広げています。
実際に体験しながら見学するだけでなく、各研究室の教員や学生たちと交流できるのも楽しみのひとつです。
以下では、それぞれのオープンラボの詳細を紹介します。
生物科学専攻オープンラボ・大学院入試説明会 (4月20日開催)
動物や植物の実物の標本を見ることができ、細胞・生物の不思議を教員や大学院学生が解説します。大学の講義だけでは伝えきれない生物の魅力を、可能な限り紹介しようとする企画です。生物に興味をもつ学部学生であれば、理学部生でなくても、そして京大生に限らず、参加できます。
これに先立ち、2019年度は、沼田英治教授(動物学教室)と長谷あきら教授(植物学教室)が、生物学の最前線の研究をわかりやすく話しました。また、今年度の参加者は、153名(内、他大学81名)でした。なお、オープンラボと並行して、大学院入試説明会も開催しました。
動物学教室の展示
生物科学専攻オープンラボ・大学院入試説明会
http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/news/detail_1090.html
ローレンツ祭 (5月17日開催)
物理学・宇宙物理学専攻の研究活動を学内外の学部学生に広く紹介するためのお祭りで、研究室ごとに開かれるオープンラボなどからなります。
物理に興味がある学部生であれば理学部に限らず、また京大生に限らず、自由に参加できます。
オープンラボ、特別講義の後には研究交歓会が開かれます。ポスター発表による研究紹介を見聞きしつつ、各研究室のメンバーと親睦を深めます。
ローレンツ祭翌日には、物理学・宇宙物理学専攻の大学院入試説明会が開催されます。
2019年度は、323名(うち他大学は96名)の多数参加がありました。
田島治委員長によるオープニング
固体量子物性研究室(物理学第1分野)の「魅せる超伝導」実演風景
ローレンツ祭2019
http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/news/detail_1112.html
化学専攻見学会 (5月25日開催)
大学院進学希望者(学部3回生も可)を対象としています。化学専攻と化学研究所が協同して行うもので、それぞれ大学院進学ガイダンスと見学会を含んでいます。2015年度からは東京でも入試説明会を行っています。
2019年度は、午前中は化学専攻、午後から化学研究所の説明会と見学を行い、学内外の学生を含め48名の参加がありました。
実験室見学の様子
化学専攻見学会2019
http://www.kuchem.kyoto-u.ac.jp/guidance.html
ガロア祭 (5月31日開催)
数学・数理解析専攻主催のガロア祭には、約50名の参加者がありました。
平賀郁講師と荒野悠輝助教が学部・大学院で勉強する数学の中からテーマを選んで講演しました。
また、懸賞問題には23件の応募があり大賞、金賞、銀賞、銅賞の方を表彰して賞品を贈呈しました。
ヴェゲナー祭 (6月7日開催)
地球惑星科学系の研究紹介等を行うオープンラボや展示、ポスターセッションのイベントです。3回生で系登録を行う学部1・2回生を主な対象としていますが、一般の方々の聴講や見学もできます。
2019年度は、学部生をはじめとして68名の参加があり、昨年度を上回る多数の来場でした。
ポスターセッションの様子
水路実験から分かる地球表層プロセス(左展示) 化石標本室(右)
熊本地震時の地面の動き(左展示) 回転系における流体の動き(右)
ヴェゲナー祭2019
http://www.eps.sci.kyoto-u.ac.jp/event/wegener/index.html