合成組織形成:細胞間コミュニケーションの設計による多細胞組織の人工形成

日時

2021年2月10日(水) 13:30 - 14:30

 

開催方法

Zoom配信
参加を希望される方は https://forms.gle/dsKsUVAg3WDzy1ibA から登録してください

 

講師

戸田 聡 氏

金沢大学 助教

 

要旨

動物の発生では、細胞が様々な分子を使って互いにコミュニケーションするとで、細胞集団のふるまいが制御され、複雑な構造をした組織が形成される。では、どのような細胞間コミュニケーションを行えばどのような多細胞構造を形成することができるでしょうか。本研究では、モデル生物を用いるのではなく、組織形成能のない細胞に新たな細胞間コミュニケーションを設計し,実際に細胞による組織形成過程をつくり出して検証しています。本セミナーでは、細胞接着の操作による多層構造形成や分泌タンパク質を介した人工的なパターン形成について紹介し、細胞間コミュニケーションを操作する合成生物学手法とその応用ついて議論します。

 


開催報告

SG6の外部講師によるセミナーとして、戸田聡さん(金沢大学)に「合成組織形成:細胞間コミュニケーションの設計による多細胞組織の人工形成」というタイトルでお話しいただきました。
 

最初に、多数の細胞がコミュニケーションすることにより自己組織化するという視点を導入していただきました。実際の実験例として、前半部分は2種類の細胞が多数集まった状況でカドヘリンによる細胞接着相互作用によって形成される複数のパターンについて、後半部分はモルフォゲンを分泌する細胞と阻害する細胞によってパターンを制御する実験を紹介していただきました。将来的な研究の発展性など様々な角度から興味深い題材を提供していただきました。

(文責: 太田洋輝)