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第3回

【第3回座談会】~「みんな悩んで大きくなった」編~
 全3回の座談会のラストとなる第3回座談会は、2013年3月13日の18時から行われました。この日は、高橋義朗教授(物理学第一教室)、寺嶋正秀教授(化学教室)、長谷あきら教授(植物学教室)、森脇淳教授(数学教室)、山極寿一教授(動物学教室)が集まって下さいました。今回も、研究の話や学生時代の話など、いろんな話に花が咲きました。「苦労は買ってでもやるべきだ」という言葉が生き生きと胸に迫ってくるような先生方の体験談も、ぜひ読んでみてください。


三輪:最初は、自分がどういう研究をしているかという話を一回りしていただければ。

山極:ちょっと待って。今日の座談会ってどういう目的でしたっけ。

三輪:それが、目的がだんだん変わってきたんだけど…。とにかく座談会をして、その内容を新入生が読めるようにしようと。

山極:冊子のための座談会。

三輪:まずは冊子ではなくてWebにとりあえず載せようと思っています。目標としては新入生のガイダンスの日に「こういうものを作ったから家に帰ったら見てください」と言えたらいいけれど、そこまでに全部うまく間に合うかどうかは分かりません。ともかく、新入生が見られるようにということなので、ここだけの話じゃなくて、新入生が読むという想定で話をしていただく。それで、最初はどんな研究をしているのかということを一回り話してもらって、その後は適当に「こんなことを話して下さい」みたいなことを言って3回か4回ぐるぐるっと回るので、そんな感じでお願いします。では、森脇さんから。

森脇:ああ、私ですか。分かりました。研究内容ですね。

三輪:ええ。1回生に分かるようなものを。

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moriwaki
森脇淳 教授

森脇:分かりました。だいたい、数学の研究内容を言うのは非常に難しくて、人事の紹介の時も、大概はみんな寝ている状態ですけれども。私は、分野的には数論幾何学というものをやっています。具体的には、例えばフェルマーの問題や、つまり、xn+yn=1というものにどういう解があるかというような数論の問題を幾何学的な観点から研究していくというのが数論幾何学というものです。その中でも、1960年代の終わりぐらいから70年代初めの頃にかけて、特にアラケロフというロシアの数学者が提唱した幾何学がありまして、私は今、そのアラケロフ幾何というものを中心に研究している状況です。それに対するいろんな応用はもちろんあるわけで、方程式にどういう解があるのかというようなことが、そういう研究を通して分かってきます。例えばフェルマーの問題はワイルズによって解決されましたが、そういうところに重要な貢献を果たしていくという風に言えば少しは分かりやすいかなと思います。以上です。

三輪:では、山極先生、お願いします。

 


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