はじめに
京都大学理学部では、京都大学の「自由の学風」の伝統のもと、それぞれの学生が自ら学び、問いを立て、自然の秘密に挑みます。
「緩やかな専門化」が学部教育の特徴のひとつであり、京都大学理 学部に入学した学生は、専門分野を決めるまでに、まずは2年間、さまざまな学問分野にわたる専門基礎科目の中から何を学ぶか自ら決定し、自学・自習の精神で学びを進めて行くことになります。
高校時代までほぼ決まったカリキュラムに沿って学習を進めて来た新入生のみなさんのなかには、これからは自分で自分の学びを創っていくということを前に戸惑ってしまう人もいるかもしれません。 さらに今年度からは全学共通科目の履修制限という新しい制度も始まることになり、一定の制限の元で自由な学びを実現させていかなくてはなりません。
そんななか、新入生のみなさんが自分らしく充実した学生生活を送れるようにと、京都大学理学部で日々、研究と教育に打ち込んでおられる各分野の先生方による座談会が三輪哲二教授により企画されました。それぞれの先生からは、研究の話や新入生のみなさんへのメッセージなど、興味深い話をたくさん聴くことができました。新入生のみなさん、それから、すでに在籍している学生のみなさんや 、これから京都大学理学部に入学したいと考えているみなさんもぜひ、この座談会をお楽しみください。
記念すべき第1回の座談会は2013年2月28日の18時頃から行われ、高橋淑子教授(動物学教室)、長田哲也教授(宇宙物理学教室)、西村いくこ教授(植物学教室)、國府寛司教授(数学教室)が集まって下さいました。全3回を通して参加する、司会の三輪哲二教授、社会交流室の常見俊直講師(写真担当)、相談室の山本(編集・文担当)も加わって、お弁当を食べながらわいわい楽しく話をしました。最後に「話してて学生のことをつい忘れちゃいました」という言葉が飛び出すほど盛り上がった第1回座談会、どうぞお見逃しなく!
第2回座談会は、2013年3月8日の20時から行われました。この日のメンバーは、有賀哲也教授(化学教室)、畑浩之教授(物理学第二教室)、平島崇男教授(地質学鉱物学教室)、平野丈夫教授(生物物理学教室)、福田洋一教授(地球物理学教室)です。メンバーが変わると、座談会の雰囲気もぐっと変わります。「優等生的な、良いおじさんのお言葉はやめて」繰り出される数々の本音トークも見どころです。第2回も、どうぞお楽しみください。
全3回の座談会のラストとなる第3回座談会は、2013年3月13日の18時から行われました。この日は、高橋義朗教授(物理学第一教室)、寺嶋正秀教授(化学教室)、長谷あきら教授(植物学教室)、森脇淳教授(数学教室)、山極寿一教授(動物学教室)が集まって下さいました。今回も、研究の話や学生時代の話など、いろんな話に花が咲きました。「苦労は買ってでもやるべきだ」という言葉が生き生きと胸に迫ってくるような先生方の体験談も、ぜひ読んでみてください。
編集後記
座談会は2月28日、3月8日、3月13日の3回に分けて行い、それぞれの回につき数人ずつの先生方が集まって、お弁当を食べながらわいわい話をしました。司会は三輪哲二教授で、会は、司会者が出したお題について各メンバーが一人ずつ順番に話していくというスタイルで進行しました。また、全3回を通して、社会交流室の常見講師、相談室の山本が立会人として参加しました。理学の面白さを広く社会に伝えることを使命とする常見講師は、買ったばかりのミラーレス一眼レフのキャノンのEOS Mをさっそく持参し、敏腕カメラマンとして座談会のさまざまな瞬間をとらえてくれました。また、山本は、今回、編集と文章書きを担当することとなりました。全3回の座談会は、立ち会った私たちにとっても非常に楽しく、有意義な時間となりました。