高橋義朗教授の紫綬褒章受章が決定

高橋義朗教授の紫綬褒章受章が決定

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2020/11/04更新

物理学宇宙物理学専攻 高橋義朗教授が令和2年の秋の叙勲において紫綬褒章を受章されることが決定しました。

高橋教授は、原子物理学の分野において、独自に開発したレーザー冷却法を用いてイッテルビウム原子のレーザー冷却実験に取り組み、2電子系原子のボース・アインシュタイン凝縮やフェルミ縮退を世界で初めて実現しました。その過程で超低温イッテルビウム原子間の相互作用について、超低温での衝突相互作用を記述するパラメータを全ての同位体間で決定し、それ以降の理論研究や実験計画の重要な指針となっています。

その後、高橋教授は光格子を用いた研究に重点を移しました。特に実験パラメータを積極的に制御することで量子モデルを実現し、実験的に量子モデルを理解しようという手法である量子シミュレーション研究に注力し、通常の物質系では存在しなかった新しい量子状態の創出に成功しました。その1例として、ボース・フェルミ混合モット状態と呼ばれる強相関量子系や、2電子系量子気体特有の高いスピン対称性を利用したSU(6)モット絶縁体状態などです。また、高橋教授は、実験と理論の定量的な比較により量子シミュレーションの深化をはかり、間接的に量子系の理論や計算手法の発達にも貢献しました。

これらの結果、国内外の多くの実験・理論研究グループがイッテルビウム原子および他の2 電子原子を用いた量子シミュレーションの研究に参入し、原子物理学における新しい分野が形成されましたが、高橋教授は常にその分野を先導・牽引してきました。また、量子シミュレーション以外にも、スピンの非破壊測定とスピンスクイジングの新たな生成法の提案と実験など、量子情報分野への貢献も多大です。

さらに、こうした研究を通して、国内外の大学院生や若手研究者の教育に力を注ぎ、次世代研究者の育成にも多大な貢献をしました。

以上のように原子物理学分野の発展に寄与された功績が高く評価され、紫綬褒章を受章されることとなりました。
 

紫綬褒章受章者一覧 (京都大学関係分)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/history/honor/award_b/purple_ribbon.html