理学研究科と京大オリジナル株式会社は、高度科学人材の育成とイノベーションの創出を目指して「京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム」を産業界と共に推進しています。その活動の一環として、2024年10月9日に第4回サイエンス講座を開催しました。当日はハイブリッド形式で実施し、会場20名(理学研究科セミナーハウス)、オンライン30名超の方々にご参加をいただきました。

 この講座では、理学研究科の研究者が登壇し、分野の最新研究やそれを支える技術についてわかりやすく解説します。会員企業の皆様は、理学分野の最新動向だけでなく、それに関連する技術やデータ解析の進展に触れ、産業界との新しい連携の可能性を発見することができます。また、学生にとっては理学と産業界の架け橋としての役割を実感できる貴重な機会になるものです。

 今回は「大気科学研究の最前線 - 衛星観測・データ解析・予測 -」と題して、3名の研究者が講演を行いました。1人目の向川均教授からは、天気予報の仕組みや予測可能性などの研究について最新の成果が紹介されました。2人目の重尚一准教授からは、雲・降水の衛星観測を中心に、現在の取り組みや将来計画についてお話しいただきました。 最後に坂崎貴俊准教授からは、”大気の調べを聴く”と題して地球大気の共鳴振動について紹介されました。学問としての歴史が大変長い大気科学ですが、AI活用をはじめ様々な技術をもってさらに深化させている様子が伝わってきました。

 普段はあまり触れることのない研究分野について、参加者からは質問が飛び交いました。また、終了後の懇親会でも登壇者を囲み、会員企業や学生らと熱心に意見交換が行われました。

 今回のイベントを通じて参加者の結びつきが一層深まり、コンソーシアムの協力体制がより強化されたと考えております。

https://sci.kyoto-u.ac.jp/ja/news-347

 

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写真は左から向川均教授、重尚一准教授、坂崎貴俊准教授