[SG10]コンピュータでとことん遊ぶ

図1: 3月13日開いたセミナーの様子

 

図2: ドローンの編隊飛行

 
 


 

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活動報告

活動目的・内容

このSGの目的は,学生たちにその自由な発想で計算機を活用する場,人的ネットワークを提供し形成して,コンピュータの主体的で新奇な活用のための基盤を学生たちに培うことであり,またその支援にある.このSGは,あくまで主体は学生である.2018年度には、学生主体位の活動とその支援を企画の目的とした。手探りで試行錯誤が続いているが、学生による本読みや電子工作、ワークショップの開催など漸く活動のスタイルができつつある。2019年度は今年度を継続し、引き続き学生の自主的な活動とその支援をメインとするスタイルを続ける。 具体的な支援として,このSGの教員にそれぞれのコンピューティングに関連した興味や手法をセミナーで提供していただき,学生の興味に応じた課題の解決へのアドバイスを行っていただく.また,積極的に学内外の専門家にもセミナー等を通して参加いただく.学生には,専用のPCや情報環境機構のクラウドコンピュータを利用した遊びの場(開発環境)を提供することを考えている。
 

活動成果・自己評価

このSGでは、学生の主体性に活動を任せる方針で運営しているため,活動は不定期で、月1度の全体ミーティング以外は,グループ毎の活動やslackやskype等を利用して情報交換や議論などを行っている.
昨年度に引き続き,前期は、基礎的な学習を主体にして、1.機械学習に関する輪読と共に具体的なプログラミング、2.ドローンの編隊飛行の制御.3.ポットキャストやホームページを利用した情報発信,4.マイコンを用いた電子工作と機械学習の適用,等のテーマで学生主体の活動を行った。
後期は、基礎的な学習を続けながら、実際に機器や機材を用いてそれぞれの課題と取り組み,当初の目標に応じた成果を得た.また,12月には,京大で開催された国際ワークショップで本SGのメンバーがロボットの遠隔操作に関する実演を含む発表を行った.
専門家を招いてワークショップを開く予定であったが,新型コロナウイルス対策のため、SGのメンバーに限定した小規模なものを1度開くにとどまったが,集中してマイコンの具体的な制御を学ぶことができた.その後,ロボットやドローン等への応用と取り組んでいる.
昨年度に比べ,継続して参加する学生が増えたことで,より学生主体の活動ができつつある.来年度も継続しこれまでの活動をより深め,学生や教員また,対外的にも情報発信ができることを期待している.
昨年度ワークショップで取り上げた,Micro:bitは,ブロックプログラミングによって制御できるが,これは,小学校で行われるプログラミングの授業でも活用できる.代表教員(藤)は,地元の小学校の要請を受けて,教員と保護者を対象としたセミナーを行った.今後もこのような地域貢献も行いたい.

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
藤 定義(代表教員) 物理学・ 宇宙物理学専攻 准教授
藤井 啓祐 大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻 教授
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
竹広 真一 数理解析研究所 准教授
山際 宏明 数学・数理解析専攻 B5
藤井 航平 その他(理学研究科以外など) B3
佐々木 眞帆 物理学・宇宙物理学専攻 B3
王 鵬皓 数学・数理解析専攻 D1
中 七海 地球惑星科学専攻 M1
佐藤 慶暉 その他(理学研究科以外など) B2
山下 達也 物理学・宇宙物理学専攻 M1
北川 済 地球惑星科学専攻 B3
金子 博人 生物科学専攻 D1
藤津 尚仁 その他(理学研究科以外など) B1
向井 大智 数学・数理解析専攻 D3
更科 明 数学・数理解析専攻 D3
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 M1
糀谷 暁 化学専攻 M1
森 祐貴 生物科学専攻 M1
その他:博士後期課程 1名
 

[SG11] 理学におけるデータ科学実践:機械学習で自然科学を読み解けるか

図1: Reservoir Computingの概念図



 

図2: 機械学習で岩石のX線3次元CT画像の輪郭抽出をしている様子

 
 


 

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活動報告

活動目的・内容

【活動目的】実験や観測で得られるデータの解析は,自然科学のどの分野においても必要である.データの潜在情報を抽出するために機械学習的手法が広い分野で使われており,手法の習熟は近年の重要事項と言って良い.本SGでは各手法の習得を目指し,それぞれの分野における機械学習などのデータ科学的手法の適用可能性を探索した.既存手法との比較検討や手法の理論的考察を含め,包括的に整理することが目的である.
 

【内容】本SGでは前期期間は5回の会合で手法を学習した.人数は各回5〜10人ほど,場所は理学研究科1号館335室(MACSプロジェクトスペース)を利用した.演習内容としては,言語はPython,開発環境はJupyter Notebook を用いた.さらにTAにデータ科学教材の作成補助を依頼,教材整備を行った.後期期間はTAとして雇用した院生2名の活動を中心に,それぞれのテーマでのデータ科学的手法の学習と研究を行った.
 

活動成果・自己評価

【活動成果】参加者の簡便性を重視し,SGミーティングは代表教員が準備したサンプルプログラムをなぞる形で実施した.内容としては,機械学習手法ライブラリである scikit-learn を用いて,多層パーセプトロン(MLP),決定木等の一通りの解析手法を習得し,附属地磁気世界資料解析センター提供の気象庁柿岡地磁気観測所のデータからのパターン抽出を試した.また,TAは基礎的な統計解析のR Studioで用いる教材の整備を行った.TAによる研究活動は(1)PythonによってReservoir の実装と「なぜ学習がうまくいくか」を探るための解析 (2)MATLABを用いて,画像解析手法を習得し,自身の研究に関連する鉱物画像を題材に輪郭抽出手法の実装とテストを教員の指導の下で行った.
 

【自己評価】登録学生の所属専攻や系は数学,物理,地球物理,化学と幅広く,データ科学的手法のニーズは顕となった.今年度はTAとして主体的に学習・研究を進める修士の学生が2名おり,SGを運営する上で良い起爆剤となった.いずれのTAの取り組んだテーマも自身の専門とは異なったが,TAが自走して取り組んでおり,彼らを素直に褒めたい.代表教員としても大いに刺激を受けた.昨年度はボトムアップに注力したために基礎的内容に留まって学生の興味を伸ばせなかったが,今年度は逆にTAとして主体的に動いてくれた学生に集中したため他の参加者に対して取りこぼしがあったことは残念に思っている.SG実施時におけるバランスについては今後改善していきたい.
 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
中野 直人(代表教員) 理学研究科 連携講師
余田 成男 地球惑星科学専攻 教授
宮崎真一 地球惑星科学専攻 准教授
塩崎 謙 物理学・宇宙物理学専攻 助教
大熊 信之 その他(理学研究科以外など) 学術振興会特別研究員(PD)
山際 宏明 数学・数理解析専攻 B5
大岡 明徳 物理学・宇宙物理学専攻 M1
金子 博人 生物科学専攻 D1
伴 広輝 生物科学専攻 M1
王 鵬皓 数学・数理解析専攻 D1
西 瑞穂 地球惑星科学専攻 M2
間仁田 侑典 物理学・宇宙物理学専攻 M1
前田 玉青 生物科学専攻 M2
佐藤 慶暉 その他(理学研究科以外など) B2
原 誠人 数学・数理解析専攻 M1
金子博人 生物科学専攻 D1
藤津 尚仁 その他(理学研究科以外など) B1
李 耀漢 化学専攻 研究生
原 将太 地球惑星科学専攻 M2
梅本滉嗣 物理学・宇宙物理学専攻 D2
須田沙織 物理学・宇宙物理学専攻 D2
佐々木 裕文 数学・数理解析専攻 D2
福田 悠登 数学・数理解析専攻 M1
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 M1
春名 純一 物理学・宇宙物理学専攻 M2
糀谷 暁 化学専攻 M1
澤崎 義仁 理学部 B3

 

[SG12]新時代を切り開く量子計算:量子コンピュータを動かそう

図1: Bloch 球

 

図2: 巡回セールスマン問題

 
 


 

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活動報告

活動目的・内容

量子計算,量子コンピュータなど,「量子」と名のつく名前を耳にしたことのある人は多いだろう.量子計算にまつわる研究は,現在,非常に盛んであり,IBMやGoogleのような大企業も,量子コンピュータの開発に精力的に取り組んでいる.本SGの最大の目的は,今後の発展が強く期待される量子計算に焦点をあて,最終的には自分の手で量子コンピュータを動かせるようになるところまで到達できるような機会を設けることにある.その一方で,量子計算がどのような原理で動いているのかを数理的に理解することも同時に行なっていく.本SGを通じて,遠くない将来に訪れることが期待される量子コンピュータの時代の先頭を歩き,幅広い分野の第一線で活躍する人材を育成するための下地を作れることが期待される.
 

活動成果・自己評価

本 SG では,近年非常に注目を集めている量子コンピュータを取り上げ,その数理的な側面,および実際に量子シミュレータを用いたプログラミングを,様々な言語(とはいうもののメインは Python)を用いて行った.
 具体的には,現在でも中心的な役割を果たしている以下のアルゴリズムを取り上げた.

  • ゲート式量子計算(量子状態,Bloch 球,干渉,多量子ビット,測定)
  • 量子アニーリング(アニーリング,Ising モデル)
  • 量子 Fourier 変換,量子位相推定

そして,プログラミングでは,Google Colaboratory をベースに Python+Qiskit+Blueqat を組み合わせて,函数の最大値(最小値)を求める問題,巡回セールスマン問題,クリーク問題,量子 Fourier 変換,量子位相推定を行った.
 
 当初の予定では,上記以外にも,量子・古典のハイブリッド手法(QAQA,Quantum-Enhanced Kernel Methods)や量子化学計算を行うつもりであった.また,IMB Q で本物の量子コンピュータを使うことも考えたが,上記だけでも十分な分量となったので見送った.最先端の内容まで到達することは(もちろん)不可能であったが,結果として,「量子計算手習い」ができ,今後の各々の活動につながる形で SG を運営できたのはよかったと考えている.

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
榊原 航也(代表教員) 数学・数理解析専攻 MACS特定助教
倉重 佑輝 化学専攻 特定准教授
武田 和行 化学専攻 准教授
藤井 啓祐 大阪大学基礎工学研究科 教授
宮武 勇登 大阪大学サイバーメディアセンター 准教授
西尾 宗一郎 化学専攻 M2
山際 宏明 数学・数理解析専攻 B5
藤井 航平 その他(理学研究科以外など) B3
池田 賢矢 その他(理学研究科以外など) B3
近藤 尚紀 数学・数理解析専攻 B3
間仁田 侑典 物理学・宇宙物理学専攻 M1
中 七海 地球惑星科学専攻 M1
藤津 尚仁 その他(理学研究科以外など) B1
松澤 優太 化学専攻 M2
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 M1
磯田 洋介 化学専攻 B4
糀谷 暁 化学専攻 M1
池田 侑平 物理学・宇宙物理学専攻 M2
その他:博士後期課程 1名
 

理学研究科の研究者を訪ねる会―うまくいってないこと、うまくいかなかったことを教えてください-

図1: 11月に行った一般参加もよびかけたインタビューのビラ

 

 
 


 

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活動報告

活動目的・内容

理学研究科の教員や院生が研究していることを聞いてあるく企画。現役研究者には、素晴らしい研究結果の広報ではなく、「今、うまくいかなくて、あがいている生の話」をライブ感覚で聞く。過去を語りたい教員には、途中まで頑張ったけど完成しないままで悔いが残った研究をきく。

狙い:研究成果の社会への発信する機会が増えて、何だか薄っぺらな広報が蔓延しているように感じる。研究というのは、泥臭い営みであり、毎日が試行錯誤の連続である。そういうごくごく普通の研究の様子を色々な人から聞いてみたい。

方法:SGとして、こんなくだらないことにのってくれる院生や教員を募る。誰にどういう風にインタビューしにいくのかを決める。何か、適当にメールかいて、ランダムに会うというのでいいような気もする。ひとり10分くらいで長くても30分。このあたりはまだ不定要素が多い。一ヵ月に一度くらい(数人まとめて?)行う。メンバーによるけど、可能なら、結果は編集して、何らかの形にできればいいけど、難しいかもしれない。記憶に頼って、文章の記録は残す。

 

活動成果・自己評価

どのようにインタビューをすすめるか、というところから積み上げた。一回目の会議でスラックを立ち上げ、スラックで議論をすすめながら、煮詰めるときにはミーティングは合計で4回だった。インタビューは結局7回に留まった。当初は短いインタビューを数多くすることを考えていたが、実際にインタビューを始めると面白くて長引くことも多く、その代わりにアポをとって時間調整の準備が大変で、結果として少なくなった。また、最後に規模が大きめのイベントも考えていたが実現できなかった。

インタビューは楽しめた。よく知らない分野の話でも、研究する躍動感はよくわかった。インタビュー記録を匿名化したのは報告会でのポスターに提示したが、それを超えて不特定多数に公開するのは難しい。「報告」だけ聞きたいという声もたくさんいただいたが、やはり、基本的には個人が参加して楽しむものかもしれない。

登録者数は多かったが、基本的に活動していたのは、学部2回生と院生2-3人くらいだった。自分の専攻を決める時期とかぶっていた2回生にはタイミング的に良かったのかもしれない。

 

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
佐々 真一(代表教員) 物理学・宇宙物理学専攻 教授
坂上 貴之 数学・数理解析専攻 教授
常見 俊直 SACRA 講師
平井颯 その他(理学研究科以外など) B2
松村大毅 その他(理学研究科以外など) B2
佐々木眞帆 物理学・宇宙物理学専攻 B3
渡邊絵美理 生物科学専攻 M1
横井雅範 その他(理学研究科以外など) B2
藤山鴻希 その他(理学研究科以外など) B2
井上 真 その他(理学研究科以外など) B2
山下 達也 物理学・宇宙物理学専攻 M1
磯田珠奈子 生物科学専攻 D1
向井大智 数学・数理解析専攻 D3
藤﨑碩人 数学・数理解析専攻 B3
矢野 隆之 その他(理学研究科以外など) B2
糀谷 暁 化学専攻 M1
清水智樹 京都大学 総務部 広報課 国際広報室