第54回 玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会は、平成27年10月20日(火)午後3時から京都大学理学研究科セミナーハウスにおいて、「構造生物学のフロンティア -膜タンパク質の機能から生命現象を理解する-」をテーマに開催された。

 当日は、玉城記念小委員会委員長 杤尾豪人教授による開会の辞、湯川記念財団 九後太一常務理事の挨拶に続いて、京都大学大学院医学研究科 岩田想 教授、名古屋大学大学院創薬科学研究科 藤吉好則 特任教授による講演が約2時間にわたって行われ、最後に 森脇淳 理学研究科長の挨拶で閉会となった。

 本講演会は、平成21年度より湯川記念財団より助成を得て共催している。湯川記念財団九後理事からの挨拶では、玉城教授と湯川、朝永両博士との関わり等が紹介された。

 講演会には、理学部・理学研究科及び学内の他研究科の学生、教職員、名誉教授の方々のほか、学外からの一般の聴講者も多く、セミナーハウスは席がほぼ埋まるなど盛会であり、講演後も活発に質疑応答が行われた。

 森脇理学研究科長からは、講演者、財団、関係者への謝辞が述べられた。

玉城教授記念学術講演会由来

 玉城嘉十郎先生は、1886年のお生まれで、京都大学理学部において理論物理学を講じられ、在職中53歳の若さでご他界されましたが、その門下からは新しい分野を拓く数多くの物理学者が輩出されました。

 ご他界後30年に当たり、先生のご意志に基づいて、ご遺族より奨学のために多額のご寄付をいただきました。

 そこで、先生を記念して毎年1回ないし2回、公開の学術講演会を開くことにいたしました。

 その第1回は大学紛争のさなかの1969年秋、湯川秀樹先生、朝永振一郎先生を講師に招いて開催されました。以後46年、回を重ねること今回で54回に達しております。

 講演のテーマは、必ずしも既存の専門にとらわれず、明日の学問への展望をひらくものを、と心がけて選ばれています。

 この玉城記念講演会は、専門の研究者だけでなく学生諸君の参加も多く、またもとより公開でありますので、少数ながら熱心な一般聴衆の方々にも好評を博しております。

講演要旨