理学研究科と京大オリジナル株式会社は、高度科学人材の育成とイノベーションの創出を目指して「京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム」を産業界と共に推進しています。その活動の一環として、2025年12月15日に第8回サイエンス講座を開催しました。当日はハイブリッド形式で実施し、190名超(オンライン参加180名)の方々にご参加をいただきました。

この講座では、理学研究科の研究者が登壇し、分野の最新研究やそれを支える技術についてわかりやすく解説します。会員企業の皆様は、理学分野の最新動向だけでなく、それに関連する技術やデータ解析の進展に触れ、産業界との新しい連携の可能性を発見することができます。また、学生にとっては理学と産業界の架け橋としての役割を実感できる貴重な機会になるものです。

今回は新たな試みとして、コンソーシアム会員だけでなく理学研究科に関心を寄せる企業に対して広く公開しました。基調講演には森脇一匡教授が登壇し、企業と理学による共創と、それを育むためのコンソーシアムの取り組みについて紹介されました。
続いて「数学で見る,数学を観る」と題して、2名の研究者が講演を行いました(司会は森脇一匡 理学研究科・教授)。1人目の鍛冶静雄教授からは、トポロジーを用いた画像解析について御紹介いただきました。2人目の稲生啓行准教授からはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を⽤いた、3次元やより⾼次元の数学的対象やデータを観察して理解するような試みについてお話しいただきました。
講座の終了後は数学教員によるVR体験会も行われ、熱心に意見交換が行われました。今回のイベントを通じて参加者の結びつきが一層深まり、コンソーシアムの協力体制がより強化されたと考えております。

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第8回サイエンス講座報告
写真左上|鍛冶静雄教授, 右上|稲生啓行准教授, 左下|森脇一匡教授, 中|VR体験会および懇親会の様子, 右下|四面体をリング状につなげてクルクルと回すことができる折り紙「カライドサイクル」(鍛冶静雄教授による展示)