物理学・宇宙物理学専攻 ソフトマター物理学研究室で修士課程を2022年に修了され、現在は総合コンサル会社に勤務されているT.A.さんにお話をお伺いしました。
現在のお仕事ではどのようなことに取り組まれていますか?
コンサルタントの仕事をしています。経営コンサルタントというよりは、エンジニアに近く、IT技術を活用して企業の課題解決をしています。文系・理系両方の要素がありますが、論理的に考える力が重要な仕事で、この力は理学部だったからこそ培われた力だと思います。
理学部に入学するまでについて教えてください。
高校生の時は、そんなに派手なことはしていなくて、友達とも遊びましたし、音楽系の習い事をしていたので、その練習をずっとしていました。でも、ちょっと科学への興味はありました。たまたまその頃、地元に加速器ができるかも、という話があって、研究者がシンポジウムをされるという案内を先生にいただいたので、実際に行ってみる等、ラフな楽しみ方はしていました。子供の頃から実験教室行くのがすごく楽しかったのと、物理への興味があったので、進路を決めるときには「理学部いいな」と思って決めました。
理学部での学生生活について教えてください。
学部2回生の時にオーロラの研究をしていました。「オーロラから音が聞こえる」という話があって、それが本当なのか・どういうことなのかを深掘りするために、同じ学年の人たち5人で3週間あまりアラスカに行ってきました。言い出したのは私ですが、優秀な友達が来てくれたおかげで、データの収集等、色々頑張れたと思います。オーロラの音は聞こえませんでしたが、運良く強いオーロラを見ることはできました。あとは、量子力学演習のレポートを書くためにみんなで徹夜したのも思い出です。
おすすめの講義はありますか?
「現代物理学実験」が楽しかったですね。
高校生におすすめの本やアドバイスがあればお願いします。
参考書は、予備校の先生や、学校の先生がおすすめしているのがやっぱり1番いいかなと思います。その中で、基礎を大事にしているものを選ぶようにしていました。大学に入ってから使った本としては、オーソドックスな「量子力学Ⅰ・Ⅱ(猪木慶治・川合光)」「理論電磁気学(砂川重信)」ですね。
高校生へのメッセージをお願いします。
このサイトまで訪れる方は、そもそも理学部に興味がある方かなと思うので、絶対理学部に行くぞ!という気持ちがある方に対してのメッセージとしては、京大の理学部はとても楽しく、実りある時間を過ごせたので、おすすめできる場所です!面白いと思って挑戦する人を応援してくださるような先生方がたくさんいるので、期待して、目指して頑張っていかれたらいいかなと思います。2点目に、興味はあるけどどうしようかなと迷っている方向けのメッセージです。「科学者を目指す人が理学部に行く」といった固定観念を持っていらっしゃる方は多いと思いますが、意外と理学部は、入った後も何にでもなれるよということは伝えたいです。理学部に少しでも興味があって、大学時代に勉強して実りあるものにしていった先にある科学者を目指すことはとても素晴らしいし、応援したいことですが、そうでなくても、勉強していくと自然にプログラミングスキルがついたり、論理的に考える力がついたりしていて、意外に就活も有利だと思います。実際に、私のようにコンサル業界や、エンジニア業界に行く人もいれば、出版業界に行く人などもいて、意外にいろんな人になれる幅の広い学部です。