企画名

データ同化の数理と応用:理論モデルとデータをつなぐデータサイエンス
 

参加教員

教員名 所属 職名
坂上貴之(代表教員) 数学・数理解析専攻 教授
宮崎真一 地球惑星科学専攻 教授
三好建正 理化学研究所 客員教授
大塚成徳 理化学研究所 連携准教授
大石 俊 理化学研究所 連携助教
 

企画の概要

 近年発展のめざましい数理統計学分野の1つに「データ同化」がある.データ同化は,現象の理論数理モデルのシミュレーション結果に本質的に含まれる予測誤差を観測データによって補正を行い,その予測力を向上させる手法である.例えば現在の数値天気予報における予測可能期間の向上はデータ同化手法のもたらしたものである.一方,理学研究の各分野においては実験・観測によるデータ研究と理論モデルによる研究がその両輪となっており,現代の数理統計的手法によって,精密化・大規模化するデータを有益に利用して理論モデルに組み込む新しいスタイルの研究が可能になりつつある.また,企業などにおいても長年蓄積された技術の理論モデルと計測データとの高度融合が望まれており,そのような開発を担う高度な職業人の輩出も大学にもとめられている.
 昨年に引き続き,理学における様々なデータと数理モデルを融合するデータ同化の基礎と応用について講義と実習を軸とした年間のコースを実施し,データ同化を用いた各理学分野の新研究の創出,理学研究科の修士/博士学生の新しいキャリアパス構築を目指す.講義型SGとして週一回の講義(前期/後期)を開講.それに合わせて研究セミナーも開催する予定である.また夏冬にデータ同化研究会を理研あるいは京大で開催,9月にはデータ同化スクールなども計画している.

 

説明会資料

4/28(金)のスタディグループ説明会資料はこちら
 

TA雇用の有無

単位認定あり.TA雇用無
 

その他、特記事項など

とくになし
 

問い合わせ先

坂上 貴之 sakajo*math.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


活動報告

活動目的・内容

 近年発展のめざましい数理統計学分野の1つに「データ同化」がある.データ同化は,現象の理論数理モデルのシミュレーション結果に本質的に含まれる予測誤差を観測データによって補正を行い,その予測力を向上させる手法である.例えば現在の数値天気予報における予測可能期間の向上はデータ同化手法のもたらしたものである.一方,理学研究の各分野においては実験・観測によるデータ研究と理論モデルによる研究がその両輪となっており,現代の数理統計的手法によって,精密化・大規模化するデータを有益に利用して理論モデルに組み込む新しいスタイルの研究が可能になりつつある.また,企業などにおいても長年蓄積された技術の理論モデルと計測データとの高度融合が望まれており,そのような開発を担う高度な職業人の輩出も大学にもとめられている. 昨年に引き続き,理学における様々なデータと数理モデルを融合するデータ同化の基礎と応用について講義と実習を軸とした年間のコースを実施し,データ同化を用いた各理学分野の新研究の創出,理学研究科の修士/博士学生の新しいキャリアパス構築を目指す.講義型SGとして週一回の講義(前期/後期)を開講.それに合わせて研究セミナーも開催する予定である.また夏冬にデータ同化研究会を理研あるいは京大で開催,9月にはデータ同化スクールなども計画している.

 

活動成果・自己評価

 令和4年度の活動として,前期に講義「データ同化A」を実施した.9名が履修し,データ同化の理論と応用について,その入門から基礎を学んだ.低次元のカオス力学系モデルを使った実習課題に取り組むことで,実際の問題に適用するために必要な実践的な基礎技術を習得した.後期にはデータ同化Bとしてデータ同化の理論と応用についてその基礎を究め,実際の応用力を養う講義を開講し,3名が履修した.また、2023年8月29日に理化学研究所・計算科学研究センターにて開催した国際学会IMT-Atlantique & Kyoto University & RIKEN joint Data Assimilation workshopにおいて、学生2名が個別課題への取り組みについて口頭発表を行った。

自己評価:前期に開講した「データ同化A」は多くの受講生を集めた.例年と同様,参加者の意欲は高く,限られた時間で高い学習効果を得られた.後期に開講した「データ同化B」に参加した3名は、生物の遺伝子の数理モデルや全球スペクトル浅水モデルへのデータ同化の実装、パラメータ推定に関する新たな視点のスキームの実装という新規性が高い独自の個別課題に取り組み、興味深い成果を得た.

画像
SG2023-1-1

データ同化Aにおける筆記試験の様子

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SG2023-1-2

IMT-Atlantique & Kyoto University & RIKEN joint Data Assimilation workshopにおける集合写真

SG1報告会資料ダウンロード

参加メンバー

教員名 所属 職名
坂上 貴之(代表教員) 数学・数理解析専攻 教授
宮崎 真一 地球惑星科学専攻 教授
三好 建正 理化学研究所 客員教授
大塚 成徳 理化学研究所 連携准教授
大石 俊 理化学研究所 連携助教

その他:学部生7名、院生(修士)3名、院生(博士)1名