企画名
数学者と学ぶ量子力学 |
参加教員
教員名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
楠岡 誠一郎(代表教員) | 数学・数理解析専攻 | 准教授 |
谷村 吉隆 | 化学専攻 |
教授 |
企画の概要
量子力学は基礎科学における中心的な研究テーマであり, 物理学のみならず, 数学においても量子力学への応用を動機とした研究が活発になされている. 一方で数学と物理学では研究の目標が少し異なり, 数学においては厳密な論理展開による理論構成を目標とするが, 物理では実際の現象の説明するための理論構成を目標とする. そのため, 立場によって何が未解決問題であるのかが異なることがある. このスタディーグループではそれぞれの立場からの”理論”を知ることによって, 分野間の相互理解を深められるような場としたい.
そういう情報提供を積極的に行える参加者を歓迎する.
実施期間・頻度
定期的にセミナー形式で行うセミナー型や, 特定の時期に集中的に行う自由設計型など考えられる. 参加者の都合にもよるため, メンバーが決まった後に相談の上決める.
TA雇用の有無
有
問い合わせ先
楠岡 誠一郎 kusuoka*math.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。
活動報告
活動目的・内容
量子力学は基礎科学における中心的な研究テーマであり, 物理学のみならず, 数学においても量子力学への応用を動機とした研究が活発になされている. このSGでは数学と物理のそれぞれを専門とする学生を集め, 数学と物理のそれぞれの立場からの量子力学の”理論”を知ることによって, 分野間の相互理解を深められるような場とすることを目的として活動を行った.
具体的な活動内容は, 数理物理に関するテキスト Quantum Spin Systems on Infinite Lattices (Pieter Naaijkens 著) を用いて週1回セミナーを行い, C*環とその toric code への応用について学んだ. テキストは, 登録学生から希望を募った上で, 数学と物理の中間に当たるものを選んだ. このテキストは数学と物理の両方の学生からの興味をもってもらえ, 無事に読み進めることができた. セミナーにおいては数学と物理の両方の学生がお互いの専門を生かし, 数学として複雑であるが重要な概念や toric code の物理的背景, 数学と物理のそれぞれの信念などについて活発に議論が行われた. また, 活動日に都合が合わない学生のために, セミナーの板書を書き写したノートやセミナーの動画の共有も行った.
活動成果・自己評価
このSGでは数学と物理のそれぞれから献身的に協力してくれる学生が参加してくれたため, セミナーが十分に質の高いものとなり, 価値のある活動ができたと感じている. 実際, 成果報告会におけるポスターの内容は toric code を考える上で必要な数学的なC*環の知識と, toric code の定義とその性質についてまとめることができ, これらは全てセミナーで取り扱ったものであった.
一方で, 異なる学系の学生が同時に活動する必要があったためセミナーの日程調整が非常に困難となり, セミナーに参加できないという学生も多数いた. これはこのSGにおける最も残念な点である. 今後このようなSGを立ち上げる際には, いくつかの少人数のグループでの活動もできるようにし, 熱意のある学生全員が何らかの形で活発に活動できるようにしたい. またこのように少人数のグループを作ることによって, 学生それぞれの興味に合った活動もできるようになると思われる.
参加メンバー
氏名 | 所属 | 職名・学年 |
---|---|---|
楠岡誠一郎(代表教員) | 数学・数理解析専攻 | 准教授 |
谷村吉隆 | 化学専攻 | 教授 |
岩井健人 | 理学部 | B2 |
衣笠公陽 | 数学・数理解析専攻 | M2 |
Kung Yi | 数学・数理解析専攻 | B3 |
衣笠公陽 | 数学・数理解析専攻 | M2 |
糀谷 暁 | 化学専攻 | M2 |
下村顕士 | 物理学・宇宙物理学専攻 | M1 |
林 大寿 | 化学専攻 | D1 |
正木敬梧 | 物理学・宇宙物理学 | M1 |
原渚彩 | 数理解析 | M2 |
Nguyen Ung | 学部生 |