企画名
理化学研究所とMACSを繋ぐパイプライン |
参加教員
教員名 | 所属 | 職名 |
---|---|---|
冨田 夏希(代表教員) | サイエンス連携探索センター | 特定助教 |
伊丹 將人 | サイエンス連携探索センター | 特定助教 |
三上 渓太 | 理化学研究所 | 連携助教 |
坂上 貴之 | 数学・数理解析専攻 | 教授 |
小林 俊介 2022.10.1より | 宮崎大学工学教育研究部 (工学基礎教育センター) | 准教授 |
初田 哲男 | 理化学研究所数理創造プログラム | プログラムディレクター |
三好 建正 | 理化学研究所 | 客員教授 |
大塚 成徳 | 理化学研究所 | 連携准教授 |
企画の概要
本スタディグループでは,理化学研究所数理創造プログラム(以下,理研iTHEMS)を理研側窓口とし,京大MACSに参加している学生と理化学研究所に所属する数理科学者との間で相互的な研究交流を図り,強固な繋がりを築き上げることを目的とする.
理研iTHEMS(https://ithems.riken.jp/ja)は,理論科学・数学・計算科学の研究者が分野の枠を越えて基礎研究を推進する新しい国際研究拠点である.理研iTHEMSでは「数理」を軸とする分野横断的手法により,宇宙・物質・生命の解明や,社会における基本問題の解決が図られている.さらに,分野横断型・滞在型のスクールや,様々な分野において第一線で活躍する基礎科学研究者を招いたワークショップ,企業や社会で数理がどう使われているかを知るための産学連携レクチャーや日常的な分野交流などを通して,ブレークスルーを齎す研究土壌の開発や若手人材の育成が進められている.
さて,今年度における活動の基本的な流れとして,まずは交流希望の理研研究者にコンタクトをとり,研究指導の承諾を得る.その後,学生と理研研究者同士で活動方針や具体的な活動内容・頻度を相談の上設定し,各自活動に取り掛かる.また本スタディグループ全体の活動として,隔週に1度の頻度で進捗報告会を開催し,理研研究者に現状報告をおこなうとともに,分野横断的な研究議論の場を形成する.
また,上記に追加して以下のような活動を計画している:
- 理研iTHEMS(またはこれに所属する客員研究員)が主催する種々の研究セミナー,ワークショップ,集中講義等への参加.
- 理化学研究所に属する数理科学関連研究室への訪問や,短期滞在などを通じた学術的交流.
- 理化学研究所に所属する(客員研究員も含む)数理科学関連の研究者を京都大学へ招致し,学生が希望するテーマに関する講義・講演の聴講.
- その他,参加学生自らが企画する行事の開催.
以上のような活動を通じて,MACS教育プログラムが掲げる「数理を基盤として理学5分野を横断する融合研究を推進し,狙ってもできない新たな学問分野の自発的創出」を目指し,学生自らが主体的かつ積極的に「分野横断的課題の発見と解決に学際的な視点から取り組む」ことを期待する.
実施期間・頻度
令和4年度 通年
TA雇用の有無
現在検討中.
その他,特記事項など
- 1.理研iTHEMSが主催するセミナー等の情報は,例えばSlackなどのアプリケーションを通じて案内する.2022年度の活動がオンラインを主とする場合には,希望する学生に対してWebセミナー参加のためのタブレット機器等を本スタディグループで購入し,貸与する.
- 2.理化学研究所に属する数理科学関連研究室への訪問や短期滞在については,学生受け入れ可能である研究室先に限る.受け入れ可能研究者のリストは最後に掲載する.なお,受け入れ可能研究者の所属は理研iTHEMSに限らず,理研AIP,理研R-CCS,理研BSIなど様々である.以下に,それぞれのWebページへのリンクを記載する:
- 理研AIP(理化学研究所 革新知能統合研究センター)
https://aip.riken.jp/?lang=ja - 理研R-CCS(理化学研究所 計算科学研究センター)
https://www.r-ccs.riken.jp/jp/ - 理研BSI(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
https://bsi.riken.jp/jp/
- 理研AIP(理化学研究所 革新知能統合研究センター)
- 3.研究議論のための理化学研究所諸施設への出張・滞在費や,本スタディグループを契機に生まれた共同研究に関わる研究費,学会参加費,論文投稿料などの費用は,支援することが可能である.
学生受け入れ可能研究室
No. | お名前 | 主な勤務地 | 研究主分野 | 研究関連分野 | 研究テーマやキーワード | Riken HP | HP |
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1 | 清水 昌平 | 滋賀大学彦根キャンパス | ・情報科学 | ・統計科学 | ・因果探索 | RikenHP | HP |
2 | 濱崎 立資 | 理研・和光キャンパス | ・数物系科学 | ・統計物理 ・量子物理 ・非平衡物理 ・物性物理 ・量子情報 |
・量子統計基礎論 ・熱平衡化 ・冷却原子系 ・孤立量子系 ・開放量子系 ・多体系 |
RikenHP | HP |
3 | 入谷 亮介 | 理研・和光キャンパス | ・個体レベルから集団レベルの生物学 | ・進化生物学 ・生態学 ・環境学 ・多様性生物学 |
・数理生物学 ・進化生態学 ・理論生物学 |
RikenHP | HP |
4 | 大下 翔誉 | 理研・和光キャンパス | ・宇宙物理学 | ・重力,相対論,宇宙論,場の量子論 | ・ブラックホール ・重力波 ・ホーキング放射 ・真空崩壊 ・量子宇宙論 |
RikenHP | |
5 | 小鳥居 祐香 | 広島大学 | ・数物系科学 | ・幾何学 | ・結び目理論 ・低次元トポロジー |
RikenHP | |
6 | 岩見 真吾 | 名古屋大学 | ・応用数学 | ・数理モデル | ・時系列疾患バイオマーカーの多階層動態解析 | HP | |
7 | 長瀧 重博 | 理研・和光キャンパス | ・宇宙物理学およびその関連分野 | ・宇宙物理 | ・超新星 ・ガンマ線バースト ・中性子星 ・ブラックホール |
RikenHP | |
8 | 豊泉 太郎 | 理研・和光キャンパス | ・人間情報学 | ・知能情報学 | ・計算神経科学 | RikenHP | HP |
9 | 肥山 詠美子 | 理研・和光キャンパス | ・原子核理論 | ・量子多体系計算に基づいた原子・分子・原子核の研究 | RikenHP | ||
10 | 多々良 源 | 理研・和光キャンパス | ・磁性 ・電子輸送関連 |
・スピントロニクス | RikenHP | ||
11 | 多田 司 | 理研・和光キャンパス | ・素粒子理論 | ・数理物理学 | ・弦理論 ・共形場理論 ・行列模型 |
RikenHP | |
12 | 難波 亮 | 理研・和光キャンパス | ・素粒子・宇宙物理学およびその関連分野 | ・宇宙論,素粒子理論,相対性理論,重力理論 | ・初期宇宙論 ・宇宙論的粒子生成 ・原始重力波 ・ダークマター・ダークエネルギー ・素粒子・重力・宇宙と場の一般理論 ・修正重力理論 |
RikenHP | |
13 | 浜中 雅俊 | 理研・東京日本橋オフィス | ・音楽情報処理 | ・ドローン | ・音楽構造分析 ・音楽AIアプリ ・ドローン |
RikenHP | HP |
14 | 小澤 知己 | 東北大学材料科学高等研究所 | ・物性物理学およびその関連分野 | ・半導体,光物性および原子物理関連 | ・トポロジカル物性 ・人工量子物質 |
HP | |
15 | 川口 喬吾 | 理研・神戸キャンパス | ・物性物理学およびその関連分野(分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野) | ・生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連 ・生物物理学関連 |
・非平衡物理 ・細胞集団運動 ・細胞分化 |
RikenHP | HP |
16 | 木村 真明 | 理研・和光キャンパス | ・素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野 | ・原子力工学関連 | ・原子核構造 ・原子核反応 ・不安定核 ・天体核反応 ・核反応データベース |
RikenHP | |
17 | 黒澤 元 | 理研・和光キャンパス | ・ライフサイエンス | ・時間生物学 ・生物物理学 ・数理生物学 |
・体内時計 ・冬眠 ・代謝 |
RikenHP | |
18 | 榎戸 輝揚 | 理研・和光キャンパス | ・数物系科学 | ・素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験 | ・放射線測定 ・X線天文学 ・時系列解析 |
RikenHP | HP |
19 | Ade Irma Suriajaya | 九州大学 | ・代数学,幾何学およびその関連分野 | ・解析的整数論 | ・ゼータ関数とL関数の零点と値分布をはじめとする解析的性質 ・素数分布との関係 |
RikenHP | HP |
20 | 立川 正志 | 横浜市立大学 | ・分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野 | ・生物物理学 | ・ソフトマター ・生体膜 ・シミュレーション |
RikenHP | HP |
21 | 河原 吉伸 | 九州大学伊都キャンパス | ・情報科学 | ・機械学習 ・データサイエンス ・応用数学 |
・統計的機械学習 ・非線形動力学 ・物理インフォームド機械学習 ・時系列予測 ・最適化 ・異常検知 |
RikenHP | HP |
22 | 角田 達彦 | 東京大学理学部3号館/理研横浜キャンパス | ・ゲノム医科学 | ・深層学習を利活用したゲノム・オミクス医科学 | RikenHP | HP | |
23 | 初田 哲男 | 理研・和光キャンパス | ・自然科学一般 | ・素粒子,原子核,宇宙線,宇宙物理に関する理論 | ・ハドロン物理 ・場の量子論 ・格子ゲージ理論 ・冷却原子気体 ・中性子星 ・クォーク ・グルーマン ・プラズマ |
RikenHP | HP |
24 | 清田 純 | 理研・東京日本橋オフィス | ・人間医工学およびその関連分野 ・人間情報学およびその関連分野 |
・医用システム関連 ・知能情報学関連 |
・深層学習の医療領域およびバイオロジーへの応用 | RikenHP | |
25 | 松浦 俊司 | カナダ | ・物性物理、素粒子、原子核およびその関連分野 | ・数理物理および物性基礎関連 | ・量子計算 ・量子シミュレーション |
RikenHP | |
26 | 柚木 清司 | 理研・神戸キャンパス | ・物性物理学およびその関連分野 | ・数理物理および物性基礎関連 ・磁性、超伝導および強相関系関連 |
・物性基礎論 ・統計物理 ・計算物理 ・量子情報理論 ・強相関電子系 ・磁性 ・超伝導 ・分子性固体 |
RikenHP | HP |
27 | 森下 喜弘 | 理研・神戸キャンパス | ・応用情報学およびその関連分野 ・細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野 |
・数理生物学、システム生物学 ・器官形態形成 |
・器官発生 ・組織変形 ・細胞運動 ・データ解析 ・トランスクリプトーム解析 ・数理モデル |
RikenHP | |
28 | Jeffrey Fawcett | 理研・和光キャンパス | ・ライフサイエンス | ・進化生物学 ・ゲノム生物学 |
・ゲノム進化 | RikenHP | |
29 | 辻 直希 | 理研・和光キャンパス | ・数物系科学 | ・素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験 | RikenHP |
:
問い合わせ先
冨田 夏希 tomida.natsuki.5z*kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。
脳神経科学研究センター
環境資源科学研究センター
RIビームファクトリー
活動報告
活動目的・内容
本スタディグループでは,理化学研究所数理創造プログラム(以下,理研iTHEMS)を理研側窓口とし,京大MACS に参加している学生と理化学研究所に所属する数理科学者との間で相互的な研究交流を図り,強固な繋がりを築き上げることを目的とする.
理研iTHEMS(https://ithems.riken.jp/ja)は,理論科学・数学・計算科学の研究者が分野の枠を越えて基礎研究を推進する新しい国際研究拠点である.理研iTHEMS では「数理」を軸とする分野横断的手法により,宇宙・物質・生命の解明や,社会における基本問題の解決が図られている.さらに,分野横断型・滞在型のスクールや,様々な分野において第一線で活躍する基礎科学研究者を招いたワークショップ,企業や社会で数理がどう使われているかを知るための産学連携レクチャーや日常的な分野交流などを通して,ブレークスルーを齎す研究土壌の開発や若手人材の育成が進められている.
スタディグループではまず希望する学生と受入可能研究者をマッチングし、学術指導や共同研究を開始する。学術指導はzoom によるオンラインでの活動をベースとする。また、コロナによる規制が緩和したことから、今年度は理研への出張も可能とする。年度末にはそれぞれの活動について、成果報告会を行う。
活動成果・自己評価
本年度は昨年度に比べ大幅に活動人数が増加し、学生17名・受入研究者11名で活動を行った。活動内容・頻度は様々で、
1)(数学・生物)教科書や論文の輪読
2)(生物)植物のウイルス感染に関する数理モデル計算
3)(生物)機械学習を利用した未知のタンパク質局在配列の探索
4)(生物)機械学習を利用したヒト白血球抗原遺伝子の型決定
5)(生物物理)体分 モーターの速度上昇の理論モデル計算生子
6)(地球惑星科学)浅水系へのデータ同化の利用
7)(物理)X 線パルサーに関する宇宙線観測データの解析
8)(物理)放射線測定器の製作
9)(物理)場の理論における熱化
といったものがあった。
4)5)に関しては、その成果について国際学会および国内学会でそれぞれ発表を行った。また、2)9)については論文投稿の準備を行っている。
また、昨年度までと大きく異なる点として、コロナによる規制が緩和され、理研への出張が可能になったことがある。直接指導を受けるための出張は8件行われた。また9月には理研見学ツアーを開催した。学生9名、特定助教3名で理研を訪れ、iTHEMS、脳神経科学研究センター、RI ビームファクトリー、環境資源科学研究センターなどの見学を行った。参加学生からは、普段関わることのない現役研究者と将来の研究者の卵である学生たちと交流でき大変刺激になった、将来理研のような研究所で研究者として働くイメージが持てた、などの感想をもらった。
2月には京大において対面での京大-理研共同研究成果報告会を行い、13名の学生が口頭発表でそれぞれの1年間の活動報告を行った。多くの学生が来年度も引き続いての活動を希望しており、非常に活発で有意義な活動ができたと考える。一方、参加学生数の増加と出張が可能になったことにより、個々の活動をスタディグループで管理することの限界が見えた。来年度の活動形態については見直しを行う。
参加メンバー
教員名 | 所属 | 職名 |
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冨田夏希(代表教員)2022 年10月~ | サイエンス連携探索センター | 特定助教 |
小林俊介(代表教員)2022 年9 月まで | サイエンス連携探索センター | 特定助教 |
伊丹 將人 | サイエンス連携探索センター | 特定助教 |
三上 渓太 | 理化学研究所 | 連携助教 |
坂上 貴之 | 数学・数理解析専攻 | 教授 |
初田 哲男 | 理化学研究所数理創造プログラム | 理学研究科 連携教授 |
三好 建正 | 理化学研究所 | 客員教授 |
大塚 成徳 | 理化学研究所 | 理学研究科 連携准教授 |
阿部航大 | 数学・数理解析専攻 | M1 |
一色竜一郎 | 生物科学専攻 | B3 |
伊東 杏花里 | 生物科学専攻 | M1 |
今中 亨輔 | 数学・数理解析専攻 | M1 |
岸広登 | 数学・数理解析専攻 | B3 |
木南武 | 生命科学研究科 | M2 |
竹田航太 | 数学・数理解析専攻 | D1 |
田中風帆 | 工学部 | B3 |
樽澤優芽子 | 農学研究科 | D1 |
永井 悠太郎 | 物理学・宇宙物理学専攻 | M1 |
菱田温規 | 生物科学専攻 | M2 |
福島 理 | 物理学・宇宙物理学専攻 | D2 |
渡邉大師 | 工学部 | B3 |
Kung Yi | 数学・数理解析専攻 | M1 |
Yan Xi | 生物科学専攻 | M1 |
柳沢 優介 | 物理学・宇宙物理学専攻 | M2 |
藤田 駿 | 理学部 | B4 |