企画名

「コンピュータでとことん遊ぶ」
 

参加教員

教員名 所属 職名
藤 定義(代表教員) 物理学・宇宙物理学専攻 准教授
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
竹広 真一 数理解研究所 准教授
 

企画の概要

このSGの目的は,学生たちにその自由な発想で計算機を活用する場,人的ネットワークを提供し形成して,コンピュータの主体的で新奇な活用のための基盤を学生たちに培うことであり,またその支援にある.このSGは,あくまで主体は学生である.

2018年度と2019年度には、学生主体位の活動とその支援を企画の目的とした。手探りで試行錯誤が続いているが、学生による本読みや電子工作、ワークショップの開催など漸く活動のスタイルができつつある.ただし,参加者が大学1回生から大学院D3の学生まで広範であるために,課題を主体的に選んでグループワークを行うことはまだ十分ではない.教員の側の支援の具体的方法に検討が必要であること痛切に実感しているのが現状である.

2020年度は一昨年度と今年度を継続し、引き続き学生の自主的な活動とその支援をメインとするスタイルを続ける。 具体的な支援として,このSGの教員にそれぞれのコンピューティングに関連した興味や手法をセミナーで提供していただき,学生の興味に応じた課題の解決へのアドバイスを行っていただく.また,積極的に学内外の専門家にもセミナー等を通して参加いただく.学生には,専用のPCや情報環境機構のクラウドコンピュータを利用した遊びの場(開発環境)を提供することを考えている.更に,積極的に学外への情報の発信や話題の提供なども行うこと検討する.

 

実施期間・頻度 

学会シーズン等を除く通常期は月2回程度のゼミ.加えて,自主的なグループ活動(特に学部学生との交流や主体的な計算機の活用)ができるように支援していく.他のコンピュータを用いるSGに参加している学生間の交流の場としての役割を果たすこと期待する.

 

TA雇用の有無

参加学生が希望した場合、ゼミ時間を対象に雇用。

 

その他,特記事項など

2018年度と今年度は他学部や他研究科の学生の参加を認めていただいた.2020年度も引き続き他学部や他研究科の学生の参加希望があれば受け入れたい.また,引き続きSG3やSG8の成果などの一部を利用させていただくことを考えている.今年度は,ポットキャストを用いたSG10の活動の紹介やMACSの紹介を行う予定で機材を購入した.SG8の流氷観察に同行して活動紹介を行う予定である.2020年度も可能な範囲で活用していきたいと考えている.将来的にはBYODの活用(学生の独自活用,講義での活用)方法の提案や,地域貢献として小学校でのプログラミングへの協力ボランティアなどができるような,サークル活動へ発展することを期待している.
今年度は,藤が岩倉南小学校で教員や保護者を対象にしたプログラミングの講習を行った.昨年度SG10で行ったmicro:bitを用いたワークショップの成果を利用させていただいた.今後は,学生も含めて,SG10の成果等を活用すること進めたいと考えている.
 

問い合わせ先

藤 定義 toh*scphys.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 





 

 

活動報告

活動目的・内容

 このSGの目的は,学生たちにその自由な発想で計算機を活用する場,人的ネットワークを提供し形成して,コンピュータの主体的で新奇な活用のための基盤を学生たちに培うことであり,またその支援にある.このSGは,あくまで主体は学生である.

 2018年度と2019年度には、学生主体位の活動とその支援を企画の目的とした。手探りで試行錯誤が続いているが、学生による本読みや電子工作、ワークショップの開催など漸く活動のスタイルができつつある.ただし,参加者が大学1回生から大学院D3の学生まで広範であるために,課題を主体的に選んでグループワークを行うことはまだ十分ではない.教員の側の支援の具体的方法に検討が必要であること痛切に実感しているのが現状である.

 2020年度は一昨年度と今年度を継続し、引き続き学生の自主的な活動とその支援をメインとするスタイルを続ける。 具体的な支援として,このSGの教員にそれぞれのコンピューティングに関連した興味や手法をセミナーで提供していただき,学生の興味に応じた課題の解決へのアドバイスを行っていただく.また,積極的に学内外の専門家にもセミナー等を通して参加いただく.学生には,専用のPCや情報環境機構のクラウドコンピュータを利用した遊びの場(開発環境)を提供することを考えている.更に,積極的に学外への情報の発信や話題の提供なども行うこと検討する.

 

活動成果・自己評価

 今年度は、コロナ禍対応で基本的にオンラインでのセミナーと個別の活動となった。セミナーは、月1回+α程度の頻度で、それぞれの活動の紹介と本読みを行った。個別の主な活動は、3DCGとロボットのプログラミングである。この結果は、SG10のホームページで公表する予定である。

 これらに加え、鎌田京大名誉教授にお願いして、「寺田寅彦の災害論と2人のMK(南方熊楠と宮沢賢治)から見るケア」のタイトルでオンデマンド講義を開いた。この詳細については、別途報告を行っている。この他、オンラインの電子工作ワークショップを開く予定であったが、講師の方の都合つかず、来年度にお願いすることとなった。今年度は対面で行うことができず、十分な議論や雑談ができず例年と違って参加学生は戸惑っていたが、個別の活動は成果を得たと評価している。昨年度ホームページに公開した活動に対して、高校の情報担当の教諭から問い合わせがあり、交流を行っている。情報発信の重要性を改めて確認した。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
藤 定義(代表教員) 物理学・宇宙物理学専攻 准教授
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
竹広 真一 数理解析研究所 准教授
中 七海 地球惑星科学専攻 M2
糀谷 暁 化学専攻 M2
今井 稀温 地球惑星科学専攻 B4
市岡 宏樹 生物科学専攻 B3
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 M2
御代川 克輝 化学専攻 B3

 

[SG2020-10]特別オンデマンド講義 (2021年3月13ー27日) ー寺田寅彦の災害論と2人のMK(南方熊楠と宮沢賢治)から見るケアー

 SG10では、2021年3月13日から3月27日まで、「寺田寅彦の災害論と2人のMK(南方熊楠と宮沢賢治)から見るケア」をオンデマンド形式で開催しました。京都大学名誉教授で上智大学特任教授の鎌田先生を講師として学内外からの参加者からのお申し込みがありました。この不安な時代を理学的なセンスを持ちながらいきぬくヒントを寺田寅彦の災害論と南方熊楠と宮沢賢治のそれぞれの存在から見るケアから読み解いていただく講義を実施しました。

 企画の意図としてこれまでも今年もMACS SG10ではコンピュータでとことん遊ぶというテーマで様々なワークショップやミーティングを重ねてきましたが、特に今年は2020年からのCovid-19によって私たちの価値観が揺れ動いているように感じていました。この時代には私たちはコンピュータを使って遠隔でPCやスマートフォンの動画や音声通信で心を通わせています。しかしながら、疫病や社会的な混乱は歴史を知ることで乗り切れるのではないかということで鎌田東二先生にご講義をオンデマンド形式でご依頼しました。今の私たちの向き合うこの2020年から2021年は過去の疫病、コレラやペスト、スペイン風邪の再来のよう中世に戻った感覚がありましたが、その時代と違うのは私たちにはPCやITがテクノロジーがあります。その中で京都大学理学部・理学研究科で学ぶ私たちとしてはPCやスマートフォンの先にある未来を自然環境や生き物を通して、大きな見方をすれば理学的センスのレンズから見透してみたいと考えました。

 鎌田先生には寺田寅彦と2人のMK(南方熊楠・宮沢賢治)についてお話しいただき、不安の時代を乗り越えるためのケアにつながる先達の理学者かつ実践者についてのお話をいただきました。

 この3人は理学的でかつ広範な視野や鋭い視点を持っています。寺田寅彦は忘れた頃に災害はやってくるという話や情緒あふれる科学随筆で有名です。また南方熊楠は博学で粘菌の研究や合祀によって鎮守の森が失われることに反対し、エコロジーについても啓蒙した人でした。また、同時代に生きていた宮沢賢治はその時代ではその作品は銀河鉄道の夜などはいうまでもなく、農学校で教える教師でもあり地学にも造詣を深く持っていました。ほとんど作品は世の中に認められない中や辛い東北の気候や出来事を乗り越えながら、いうも言われない世界観を持った作品群を残しました。この講義も宮沢賢治の作品のことばを借りるなら、すきとおったほんとうのたべものになることをどんなに願うかわからないものになっています。

 結果的にそれぞれ連携した内容になっている2つの講義を通してこの不安なポストコロナの時代に、よりしっかりと立ち向かう方法について語っていただきました。 今という時代を共有しながらもお互いがいたわりあうケアの時代を見出せるヒントがこの講義を開くことで糸口になると考えます。

講義の概要:
第1講  寺田寅彦の災害論(災害は忘れた頃にやってくる)
第2講  2人のMK(南方熊楠と宮沢賢治)からみるケア〜不安の時代のために〜

(題名)
京都大学MACSプログラム スタディグループ10 特別オンデマンド講義
京都大学名誉教授 鎌田東二先生による特別講義〜不安な時代を乗り越えるために〜
ー寺田寅彦の災害論と2人のMK(南方熊楠と宮沢賢治)から見るケアー

講師プロフィール:
鎌田東二先生
京都大学名誉教授
上智大学大学院実践宗教学研究科特任教授

配信形式:
オンデマンド(事前登録者のみ期間限定で閲覧可能)
90分の授業を2本インターネットにて閲覧

登録者:
15名

視聴いただいた日時:
2021年3月13日から3月27日
(文責:藤 定義)