企画名

自然科学とランダム行列
 

参加教員

教員名 所属 職名
石塚 裕大(代表教員) 数学・数理解析専攻 SACRA特定助教
太田 洋輝 物理学・宇宙物理学専攻 SACRA特定助教
 

企画の概要

多岐にわたる応用が知られているランダム行列の理論の学習を通じて、理学部の異なる分野との共通言語を身に着け、話題や技術を共有することが目的のグループである。基礎を共有した後、輪講形式でランダム行列のテキストの読解を進めるが、関連論文の紹介も並行して行う。テキストや文献は参加者の興味関心に依存するが、ひとまず T. Tao の Topics in Random Matrix Theory を基礎として考えている。テキスト候補は随時加える。

 

実施期間・頻度 

実施期間は半期とし、展開次第では後期も続行する(関連するトピックの外部セミナーのみという形式もあり得る)。実施頻度は隔週とする。

 

TA雇用の有無

TA雇用あり
 

問い合わせ先

石塚 裕大 yasu-ishi*math.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 




図:考案したモデルについて、数値実験の結果の例

報告会資料ダウンロード(770 KB)

活動報告

活動目的・内容

多岐にわたる応用が知られているランダム行列の理論の学習を通じて、理学部の異なる分野との共通言語を身に着け、話題や技術を共有することが目的のグループである。 基礎を共有した後、輪講形式でランダム行列のテキストの読解を進めるが、関連論文の紹介も並行して行う。
テキストや文献は参加者の興味関心に依存するが、ひとまず T. Tao の Topics in Random Matrix Theory を基礎として考えている。テキスト候補は随時加える。

 

活動成果・自己評価

全体を通して、Slack で随時情報共有を行いながら、隔週のオンラインセミナー形式で実施した。
まずは全体で用語を共有することを目的として、基礎事項の定義や確認を行った。 このためには活動目的で挙げた Topics in Random matrix theory に加えて、 測度論や確率の収束の考え方を伊藤清三「ルベーグ積分入門」などの教科書で補うことにより実施した。 昨年にこれを重点的にやりすぎた反省をもとにして、ほどほどに切り上げたつもりだが、 基礎を学びたい学生には対応できていなかったかもしれない。 こののち、各参加者の興味に合わせる形で論文や研究の紹介を行った。 紹介されたのは整数論とランダム行列(M. M. Woodらの論文)、 量子情報におけるランダム行列(B. Collins らの論文)、 および霊長類の観察に基づいて構成された行列のふるまいについての研究が紹介された。 とりわけ最後の話題については、 メンバーでいくつかモデルを考察し数値実験を行うところにまで漕ぎ着けられた。
議論の中で「普遍性」などの用語が共有されていたことは、 前半の用語共有の成果だったと言えるだろう。 全体としても、半年でできることを考えた当初の計画通りにまとめられて非常に有意義に終わったと自己評価している。 参加者数を増やすにはどうすればいいか、 増えたときにどうしていくかという部分に課題はあるが、 少数になった場合としては次につながる形で終えられたことには満足している。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
石塚 裕大(代表教員) 数学・数理解析専攻 SACRA特定助教
太田 洋輝 物理学・宇宙物理学専攻 SACRA特定助教
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 M2
下村 顕士 物理学・宇宙物理学専攻 B3