企画名
Category Theory and Natural Sciences |
参加教員
教員名 | 職名 | 所属 |
---|---|---|
佐々 真一 | 教授 | 物理学・宇宙物理学専攻 |
岸本 大祐 | 准教授 | 数学・数理解析専攻 |
石塚 裕大 | MACS特定助教 | 数学・数理解析専攻 |
太田 洋輝 | MACS特定助教 | 物理学・宇宙物理学専攻 |
関連専攻
専攻名 | |
---|---|
数学・数理解析 | ● |
物理学・宇宙物理学 | ● |
地球惑星科学 | ○ |
化学 | ○ |
生物科学 | ● |
○:学生・教員から希望があれば参加可能な分野(専攻)
実施期間(開講曜日・時間等)
年度・期 | 開講曜日 | 時間 | 場所 |
---|---|---|---|
平成29年度・通年 | 未定・隔週程度(予定) | 未定 | 未定 |
企画要旨・目的
圏論を使って、エントロピー的なものを定式化する試みを目指して、ゆっくり勉強する。具体的には、Tom Leinster の http://www.maths.ed.ac.uk/~tl/b.pdf により、その背景や必要な道具や考えを学ぶ。そして、https://arxiv.org/pdf/1504.03661.pdf もしくは https://arxiv.org/pdf/1409.5531.pdf を攻略する。必要に応じて、圏論の勉強を追加する。例えば、Basic category theory (Tom Leinster) [https://arxiv.org/abs/1612.09375;ベーシック圏論(日本語版)]を手許におきつつ、場合によってはそのある箇所を学ぶこともあるだろう。(圏論を全く知らない人は、例えば、https://drive.google.com/file/d/0B-wUHJlJ-mgXRnFpcXE5Q1lVLUk/view を一読すると「何をする学問か」は分かるかもしれない。圏論はどうしても抽象的になるので、表面的なとっつきにくさをできるだけ抑えたものとして、Category theory for scientists (D. Spivak, MIT Press) ; https://arxiv.org/abs/1302.6946 を読むのも手である。 代表の佐々は、エントロピーの専門家であるが、圏論は全くの初心者である。研究のために勉強するというより、普段使っていない部分の頭を使うような新鮮な気持ちで学びたいと思っている。上記題材の非数学的な部分については、佐々が補足できるだろうし、圏論的な部分については、岸本さんや石塚さんが補足してくださるだろう。圏論の見方で自然科学の他の問題に広がっていくことに興味をもつ数学系の人、あるいは、圏論を学んでみようという自然科学系の人が参加してくれれば楽しいと思う。 |
問い合わせ先
佐々真一 sasa*scphys.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。
活動報告
昨年度入門した圏論をもう少し深めたかった。具体的には、熱力学エントロピーと圏論の関係に焦点をあてた。熱力学とは、平衡状態に対して、可能な平衡状態間遷移を考えて、そこにある法則を体系化する。素朴に、平衡状態を「対象」として、操作による状態間遷移を「射」とみると、何だか圏論の設定のようでもある。熱力学第2法則を圏論の言葉で書くことで、熱力学を離れて「熱力学第2法則」が登場する様子が理解できるかもしれない。
第1部では、圏論の初歩の初歩というか、最低限の言葉を理解する。これは、Leinster のベーシック圏論を使って、圏、関手、自然変換という言葉や概念になれることを目指した。当初の目論見では、夏休みの自習で、ベーシック圏論を全部読むつもりが、やはりひとりでゆったり読む機会は作れなかった。一人で読んでいると、どうしても、頭がぐらぐらしてついていけないところがでてくる。ゼミだと、分からん、分からん、と言って、あの手この手で説明を聞いていると、次第に見えてくるのだが。
第2部では、圏論ではなくて、Lieb-Yngvason の公理論的熱力学の基本的な枠組みを理解することを目指した。設定と公理とそこから得られるエントロピーの存在に至るまでの論旨を共有したかった。僕は20年程前に論文がすぐにでて勉強して以来だったが、熱力学エントロピーは普段から研究対象なので、僕にとっては馴染みが深いものである。しかしながら、数学系の人にとっては、設定がどうも腑に落ちないらしく、色々な議論をすることになった。
第3部では、リソース理論をモノイダル圏の言葉で書き直す文献を読んだ。僕は、リソース理論は聞きかじった程度、モノイダル圏は初対面なので、遅遅として進まなかった。また、2週間に一度の集まりなので、2週間たつと、同じところで同じようにひっかかることもしばしばだった。残念ながら、その文献を最後まで読むことはできなかった。
参加メンバー
氏名 | 所属 | 職名・学年 |
---|---|---|
佐々 真一(代表教員) | 物理学・宇宙物理学専攻 | 教授 |
岸本 大祐 | 数学・数理解析専攻 | 准教授 |
石塚 裕大 | 数学・数理解析専攻 | MACS特定助教 |
太田 洋輝 | 物理学・宇宙物理学専攻 | MACS特定助教 |
久保 進太郎 | 生物科学専攻 | D1 |
更科 明 | 数学・数理解析専攻 | D1 |
向井 大智 | 数学・数理解析専攻 | D1 |
日浦 健 | 物理学・宇宙物理学専攻 | M1 |
中田 雄斗 | 生物科学系 | B4 |
今村 悠希 | 数理科学系 | B3 |
岩木 惇司 | 物理系 | B3 |