企画名

振動/運動でつなぐ生命現象と数理的原理

参加教員

教員名 職名 所属
小山 時隆 准教授 生物科学専攻
藤 定義 准教授 物理学・宇宙物理学専攻
市川 正敏 講師 物理学・宇宙物理学専攻
松本 剛 助教 物理学・宇宙物理学専攻

関連専攻

専攻名  
数学・数理解析
物理学・宇宙物理学
地球惑星科学
化学
生物科学
●:参加教員の専門分野(所属専攻)・学生を募集する主な分野(専攻)
○:学生・教員から希望があれば参加可能な分野(専攻)
 

実施期間(開講曜日・時間等)

年度・期 開講曜日 時間 場所
平成29年度・通年 月曜日(1ヶ月に2回以内) 16:00〜18:00 未定

企画要旨・目的

生命現象は生体分子から細胞、さらには生物個体から生物集団まで様々な物質的階層で理解されてきた。本企画では振動や運動という時空間にまたがる理論背景から多様な生命現象を照らし出し、生命現象の本質にアプローチすることを目的とする。生体分子による振動形成、振動子と細胞・個体振動現象、細胞や細胞集団の運動の数理的背景を探るとともに、音や流体が繰り出す様々な物理現象の理論的背景を議論することで生命現象への新たな視点を導く。担当教員が専門分野における問題点を紹介し、その解決へ向けた議論を行う。具体的な課題に対して多様な視点から議論することで、企画参加者は生命現象と数理的原理を結びつける作業を体感する。

 

問い合わせ先

小山時隆 oyama*cosmos.bot.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


活動報告

生命現象の基本的な原動力は多様な生化学的反応系にあるが、生命現象に見られる運動や振動は数理的アプローチによっても理解が進んできた。本SGでは、概日リズムという化学反応系としては非常に長い周期(およそ1日周期)をもつ振動現象を中心に、細胞の運動に働く生体分子の構成などについて数理的な視点から議論した。参加教員それぞれの具体的な研究内容の紹介を議論の出発点に、数理モデルのシミュレーションも実地で進めることで、それらの現象の背後にある数理的な論理の理解を深めた。これらのSG活動から、植物個体内の概日リズムにみられる空間的特徴や外部環境周期への生物時計の同期現象に関して、SGメンバー内での個別共同研究へと発展した。

 

また、SG活動の一環として、概日時計発振のための温度条件に関して、分岐理論に基づく最新の研究成果を九州大の伊藤浩史助教に発表していただいたほか、オルガネラ、細胞、組織、器官などの階層性に基づく植物の概日振動系の理解を目指したミニシンポジウムを海外の研究者(Antony Dodd博士、Bristol大)も交えて開催した。これらの外部講師を交えた会合を通して、幅広い知見を得た。

 

さらに、生物の遺伝子発現変動の非侵襲的な測定で用いられる生物発光技術の根幹にある自然界における生物発光生物の発光現象を直接観察することで、生物発光の本質の理解を進めた。三重県鳥羽市菅島にある名古屋大学大学院理学研究科附属臨海実験所でウミホタルをはじめとする様々な海洋発光微生物を観察した。

 

さらに、沖縄県西表島にある琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設をベースにヤエヤマホタルなど熱帯型のホタルの明滅現象を観察した。自然環境における生物圏の最前線に位置する研究施設で研究に従事する研究者と議論を交えることで、明滅現象の意義、日周・潮汐といった外部環境周期と発光現象とのつながりなど、生命の幅広い動的な現象についての知見を広めた。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
小山 時隆(代表教員) 生物科学専攻 准教授
藤 定義 物理学・宇宙物理学専攻 准教授
市川 正敏 物理学・宇宙物理学専攻 講師
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
西上 幸範 物理学・宇宙物理学専攻 学振PD
大村 拓也 物理学・宇宙物理学専攻 D3
幕田 将宏 物理学・宇宙物理学専攻 D2
上野 賢也 生物科学専攻 M2
磯田 珠奈子 生物科学専攻 M1
篠 元輝 生物科学専攻 M1
熊田 隆一 生物系 B3