理学研究科長・理学部長 森脇 淳

 
 

理学部・理学研究科を取り巻く学外・学内の状況は非常に厳しいものがあります。学外にあっては、年棒制の促進、大学の国際化、男女共同参画の推進、大学の機能分化、それに伴う概算要求のパッケージ化、また、高大接続の円滑化から生じる入試改革、及び、教育改革の促進等枚挙に暇がありません。学内についても、学域・学系制度への組織改革、定員・運営費削減、遅れている種々の教育改革等難題が数多く存在します。学域・学系制度への組織移行は、透明性の高い人事制度の導入が主眼となり、日常の業務には大きな変化はありません。しかしながら、理学研究科内には教員組織は存在せず、研究科は教職員の職場を提供するということになります。詳細は現在検討中ですが、28年度からの導入が予定されています。職場としての理学研究科を考える際、男女共同参画の推進は重要なテーマで、女性の働きやすい職場の構築や女子学生の比率の向上は喫緊の課題だと言えます。また、入試改革についても、特色入試が今年度から開始し、これからの入試を考える上でも重要な試金石になると思います。教育改革も待ったなしの状態です。理学部は、緩やかな専門化、理学科1学科制、少人数担任制度等先進的な教育制度をとっていますが、たゆまない努力で更なる改善は必要かと思います。

 

その他にもいろいろな改革に迫られていますが、大切なことは、改革の要求に惑わされるのではなく、大局を見失わないことです。つまり、理学研究科にとって何が最も重要なことかを常に忘れないことです。それは、科学に裏打ちされた深くかつ幅広い知見をもった学生を育てる教育をし、研究にあっては新しい知の地平線を開拓することです。以上の点を常に忘れずに研究科長の職を努めたいと思います。