理学研究科と京大オリジナル株式会社は、高度科学人材の育成とイノベーションの創出を目指して「京都大学理学共創イノベーションコンソーシアム」を産業界と共に推進しています。その活動の一環として、2024年7月5日に第3回サイエンス講座を開催しました。当日はハイブリッド形式で実施し、会場30名超(理学研究科セミナーハウス)、オンライン30名超の方々にご参加をいただきました。
この講座では、理学研究科の研究者が登壇し、分野の最新研究やそれを支える技術についてわかりやすく解説します。会員企業の皆様は、理学分野の最新動向だけでなく、それに関連する技術やデータ解析の進展に触れ、産業界との新しい連携の可能性を発見することができます。また、学生にとっては理学と産業界の架け橋としての役割を実感できる貴重な機会になるものです。
今回は「自然史×分子情報の統合で拓く多様性生物学の最前線」と題して、3名の研究者が講演を行いました。1人目の佐藤拓哉准教授からは、ハリガネムシが宿主を操る仕組みとその役割について最新の成果が紹介されました。2人目の今田弓女助教からは、コケ類の生態と進化について、それを動物との関係から読み解くような研究が紹介されました。最後に渡辺勝敏教授からは、淡水魚類の自然史をテーマに、全ゲノムデータと 物情報学的解析を駆使した研究や新しい分析技術が紹介されました。
普段はあまり触れることのない研究分野について、参加者からは質問が飛び交いました。終了後の懇親会でも登壇者を囲み、会員企業や学生らと熱心に意見交換が行われました。
今回のイベントを通じて参加者の結びつきが一層深まり、コンソーシアムの協力体制がより強化されたと考えております。
https://sci.kyoto-u.ac.jp/ja/news-315
1コマ目の講演をする佐藤准教授
2コマ目の講演をする今田助教
3コマ目の講演をする渡辺教授