地球惑星科学専攻・教授 平島 崇男

 
 
 

私事で恐縮であるが、昨夏、熾烈な家庭争議を経て、太陽光発電装置を導入した。将来のgeohazard等による電源喪失への備えと、京都議定書への貢献を掲げる恐妻の提案が、小生の住居周辺の発電環境の悪さによる不採算性を理由にした反対意見を圧倒した。運用開始が秋になったため、この半期の電力自給率は予想通りはかばかしくない。装置導入を評価するには日照時間の年々変動等の自然要素と住居周辺の環境変化等の社会要素を数年間モニタリングする必要がありそうである。

 

今冬には、原油安に加えてエネルギー源多様性確保を考慮し、数年ぶりに石油ストーブを復活させた。CO2排出削減の点では矛盾しているが、最近流行りのファンヒーターでは無く、外部電力不要の開放式を選択した。開放式ストーブ使用の再開にあたり幾つかの副産物がついた。その一つは、水を入れたやかんを置いて室内の湿度を良好に保てることである。花粉アレルギーの私には大変ありがたい。

 

今から思うと、昔の理学研究科1号館の冬は快適だった。院生時代は全館共通のスチーム暖房で、出校時に居室は既に温まっており、夕方にスチームが止まっても、追ってガス暖房が使えた。冬場は、夜遅くまで研究室に滞在し、冷え込む下宿に帰るのは眠る直前だった。

 

しかし…現在の1号館の空調は冷暖房兼用のエアコンが基本である。エアコン暖房を長時間使うと乾燥し過ぎて体調が悪いといとも簡単に喉をやられる。さらに厄介な点は機器の修理代金の財源が校費に限定されている。数年前の夏、ある部屋のエアコンが故障した時、支出の目処がたたず、招聘研究者と秘書さんに大きな迷惑をかけたのであった。

 

その折りに、エアコンを長持ちさせる秘訣を設備担当者に尋ねると、各自で日々のメンテをしっかりして欲しいとのこと。同氏は「自宅のエアコンのフィルターは毎週掃除する」とのことで、我々も是非参考にしたい。

 

次回の大規模改修か立替えの際には、理学研究科もエネルギー源多様性を考慮に入れていただきたいと強く望む。