三浦 達彦 特別研究員(数学・数理解析専攻)が第37回(2020年度)井上研究奨励賞を受賞

三浦 達彦 特別研究員(数学・数理解析専攻)が第37回(2020年度)井上研究奨励賞を受賞

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2021/02/26更新

受賞者

三浦達彦(数学・数理解析専攻 日本学術振興会特別研究員PD)

研究題目

「曲がった薄膜領域や動く曲面上の発展方程式の数学解析」

研究業績成果の概要

私たちの身のまわりには、シャボン膜を形作る石鹸水の流れや物体表面の熱伝導など、薄い膜の内部や曲面の上で発生する現象が数多く存在します。私はそのような現象を記述する偏微分方程式の解の性質について研究を行ってきました。本研究では主に膜の厚さを小さくすると曲面に近づいていくような曲がった薄膜領域における拡散方程式と流体方程式の解析を行い、膜の厚さをゼロに近づける薄膜極限での方程式の解の挙動を調査しました。その結果、薄膜極限で解が収束し、さらにその極限関数が曲面上の拡散および流体方程式の解になることを証明することができました。これにより、曲面上の拡散方程式や流体方程式を薄膜領域上の方程式から導出できること、あるいは逆に薄膜領域における拡散現象や流体運動を曲面上の方程式によって近似的に記述できることが示されました。特に、非圧縮粘性流体の運動を記述するナヴィエ・ストークス方程式について、本研究で初めて一般の曲面における方程式を薄膜極限により数学的に厳密に導出し、その粘性項に曲面の曲率を表す量が現れることを確認することができました。

研究者コメント

このような名誉ある賞をいただき大変光栄に思います。関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。今回の受賞に恥じることのないよう一層研究に励んでいく所存です。
 

公益財団法人井上科学振興財団 受賞者紹介

http://www.inoue-zaidan.or.jp/b-01.html?eid=00045