渡辺順也 本研究科地球惑星科学専攻博士後期課程学生と松岡廣繁 同助教、カナダのロイヤルBC博物館(Royal BC Museum)の研究者は共同研究の結果、プロトプテルム科に属する新種の鳥類を発見しました。カナダの後期漸新世(約2450万年前)の地層から発見された烏口骨の化石からその存在を明らかにしました。本研究は2016年1月30日に京都大学で行われた「日本古生物学会第165回例会」でもポスター発表されました。

 

この研究成果については2015年11月にPalaeontologia Electronica誌(電子版)に論文が掲載されました。

研究者からのコメント

今回はプロトプテルム科の分布や進化史を考える上で重要な発見だったと思います。日本でもプロトプテルム科の化石は発見されているので、今後日本でも化石の研究をさらに進めていきたいです。

概要

プロトプテルム科は始新世から中新世の北太平洋に生息していた絶滅鳥類の一群で,ペンギンのように飛ぶことはできず翼で水中を泳ぐ特殊な生態を持っていたと考えられています。

 

これまでプロトプテルム科の化石は日本や米国で発見されていましたが、カナダからの産出例は今回が初めてです。日本や米国から発見されたプロトプテルム科の多くは体長が大形のペンギン程度から人の背丈を越えるほどの巨体であったのに対して、今回の化石はカワウ程度の大きさの種であったと考えられます。

 

渡辺博士後期課程学生は飛べない鳥全般の化石の研究をしており、共同研究では日本の文献の翻訳や、日本で発見されたプロトプテルム科についての情報提供をしました。共著者とともに新種の鳥類を「Stemtec suntokum」(先住民のT'Sou-Ke族の言語で「首長の水鳥」との意味)と命名しました。

 

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