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koyama

企画名

自然界に見られる大きさと時間を見比べる
 

参加教員

教員名 所属 職名
小山 時隆(代表教員) 生物科学専攻 准教授
市川 正敏 物理学・宇宙物理学専攻 講師
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
宮崎 真一(地物) 地球惑星科学専攻 准教授
坂崎 貴俊(地物) 地球惑星科学専攻 助教
 

企画概要・実施期間・頻度

 自然界は様々な“サイズ感”を伴う現象(もの・こと)で満たされている。自然物と人工物、あるいは自然の中でも生き物と生き物以外など “サイズ感”は多様な基準を反映している。例えば、球形の微生物は一般的だが、ヒト並の大きさの生き物に球形はそぐわない。心理学的なことは別にして、サイズ感は拡散や流動といった物理的要因や、生き物の成長や大地の変化といった時間スケールなど、動きや変化といった要素の中にその芽が生み出されている。このSGでは身近な現象に見られる形態的パターンや動的特性を観察することで、サイズを感じ、その深層にある数理について議論していきたい。生き物らしさ、大地らしさ、海らしさなど、『らしさ』につながる特性を大きさと時間に起因するサイズ感の中に参加者が何か見つけることを目標とする。
 2019年度SG8で培ったドローン撮影技術を本SGでも活用するほか、研究室内の顕微鏡などを用いた観察も行うことで、スケールの大きく異なる現象を分け隔てなく対象とする。顕微鏡による生物組織内の動的パターニングの観察から、ドローン等による海(波、渦潮)の観察や、生き物が作る移動波として例外的に大きなスケールを持つ高山樹林の縞枯れ現象の観察を実施することで、観察対象とその構成要素や外部要因の大きさ/時間スケールを実感し、数理的考察のモチベーションを上げていきたい。
 セミナー形式で行うが、参加者のディスカッション/ディベートを積極的にやっていきたい。また、参加者は少なくとも一度はディスカッションの先導役をやってもらう予定。
 実施期間は通年を予定。2〜3週間に1度の頻度で行う。

 

TA雇用の有無


 

その他,特記事項など

原則、大学院生が対象。関連分野研究に直接関わるなど、参加目的の明確な学部生等については個別対応。新型コロナの状況によるが、ドローンによる観察のための研修旅行を企画したい(1〜3回、可能なら夏季)。オンラインでも可能な内容・やり方を検討する。 

 

問い合わせ先

小山 時隆 oyama*cosmos.bot.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


飛行中のドローン


 ドローンからみた植物園


 ドローン飛行制御中

ドローンを探せ

活動報告

活動目的・内容

 自然界は様々な“サイズ感”を伴う現象(もの・こと)で満たされている。自然物と人工物、あるいは自然の中でも生き物と生き物以外など “サイズ感”は多様な基準を反映している。例えば、球形の微生物は一般的だが、ヒト並の大きさの生き物に球形はそぐわない。心理学的なことは別にして、サイズ感は拡散や流動といった物理的要因や、生き物の成長や大地の変化といった時間スケールなど、動きや変化といった要素の中にその芽が生み出されている。このSGでは身近な現象に見られる形態的パターンや動的特性を観察することで、サイズを感じ、その深層にある数理について議論していきたい。生き物らしさ、大地らしさ、海らしさなど、『らしさ』につながる特性を大きさと時間に起因するサイズ感の中に参加者が何か見つけることを目標とする。
 2019年度SG8で培ったドローン撮影技術を本SGでも活用するほか、研究室内の顕微鏡などを用いた観察も行うことで、スケールの大きく異なる現象を分け隔てなく対象とする。顕微鏡による生物組織内の動的パターニングの観察から、ドローン等による海(波、渦潮)の観察や、生き物が作る移動波として例外的に大きなスケールを持つ高山樹林の縞枯れ現象の観察を実施することで、観察対象とその構成要素や外部要因の大きさ/時間スケールを実感し、数理的考察のモチベーションを上げていきたい。
 セミナー形式で行うが、参加者のディスカッション/ディベートを積極的にやっていきたい。また、参加者は少なくとも一度はディスカッションの先導役をやってもらう。
 

活動成果・自己評価

 活動成果:参加教員によるセミナーと参加学生を中心としたドローン観測・画像データ処理を行った。新型コロナの状況が晴れない中、野外観察は理学部植物園の樹木の観察のみとなった。通年で活動を行ったが、セミナーは生物のサイズ、ミクロスケールでの生物の運動と巨視的挙動、過去のドローン観測結果(風紋/流氷塊)の再解析、ドローン観測スケールでの大気の時空間的変化など多彩な分野に及び、どのセミナーにおいても突っ込んだディスカッションがなされた。11月〜12月は植物園の樹木の多くが紅葉・落葉するため、ほぼ毎週ドローンによる観測を行い、樹木種の同定と紅葉・落葉の変化の基礎データをえることができた。今後の課題として、個々の樹木の3次元的な紅葉・落葉の様子を再構築する点が挙げられる。なお、セミナーで議論されたZ軸方向の大気温日内変動パターンが、同一樹木がZ軸方向で異なる日内温度変化を与えるため紅葉・落葉に限らず樹木の成長パターンを理解する上で重要なファクターとなり得ることを見出した点は本SGの大きな収穫となった。

自己評価:本SGの参加教員および学生は多様な分野の研究に従事しており、主に教員によるセミナーにおいては、多彩な視点からの意見を取り交わすことができた点で評価される。また、参加メンバーのドローン操作・解析技術が飛躍的に向上した点も実績となった。本SG活動と直接関係はしていないが、参加メンバーの前田玉青さんがドローンを用いた野生馬社会の革新的研究で本学の2021年度たちばな賞(優秀女性研究者奨励賞)を獲得したことはSGとしても嬉しいニュースとなった。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
小山 時隆(代表教員) 生物科学専攻 准教授
市川 正敏 物理学・宇宙物理学専攻 講師
松本 剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
宮崎 真一 地球惑星科学専攻 教授
坂崎 貴俊 地球惑星科学専攻 助教
岡本 楓 生物科学専攻 B3
明石大輝 物理学・宇宙物理学専攻 M1
秦駿斗 地球惑星科学専攻 M1
高野友篤 その他(医学研究科) D1
若林 環 地球惑星科学専攻 M1
野末陽平 地球惑星科学専攻 M1
前田玉青 生物科学専攻 D2
林 大寿 物理学・宇宙物理学専攻 D1