(上図:理研AICSデータ同化チームより提供)
 

企画名

データ同化の数理と応用:理論モデルとデータをつなぐデータサイエンス

参加教員

教員名 職名 所属
坂上貴之 教授 数学・数理解析専攻
余田成男 教授 地球惑星科学専攻
三好建正 チームリーダー 理研

関連専攻

専攻名  
数学・数理解析
物理学・宇宙物理学
地球惑星科学
化学
生物科学
●:参加教員の専門分野(所属専攻)・学生を募集する主な分野(専攻)
○:学生・教員から希望があれば参加可能な分野(専攻)
 

実施期間(開講曜日・時間等)

年度・期 開講曜日 時間 場所
平成29年度 前期・後期 火曜日 第3限 6号館207号室

企画要旨・目的

近年発展のめざましい数理統計学分野の1つに「データ同化」がある.データ同化は,現象の理論数理モデルのシミュレーション結果に本質的に含まれる予測誤差を観測データによって補正を行い,その予測力を向上させる手法である.例えば現在の数値天気予報における予測可能期間の向上はデータ同化手法のもたらしたものである.一方,理学研究の各分野においては実験・観測によるデータ研究と理論モデルによる研究がその両輪となっており,現代の数理統計的手法によって,精密化・大規模化するデータを有益に利用して理論モデルに組み込む新しいスタイルの研究が可能になりつつある.また,企業などにおいても長年蓄積された技術の理論モデルと計測データとの高度融合が望まれており,そのような開発を担う高度な職業人の輩出も大学にもとめられている. このような状況に対して,昨年に引き続き,理学における様々なデータと数理モデルを融合するデータ同化の基礎と応用について講義と実習およびその後のフォローアップのセミナーやチュートリアルを軸とした年間のコースを実施し,データ同化を用いた各理学分野の新研究の創出,理学研究科の修士/博士学生の新しいキャリアパス構築を目指す.

イベント

 

問い合わせ先

坂上貴之 sakajo*math.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 

 


(上図:理研AICSデータ同化チームより提供)

活動報告

データ同化は、理論モデルによる数値シミュレーションと実測データをつなぐデータサイエンスであり、力学系理論および統計数理に基づく学際科学である。平成29年度の活動として、前期・後期に講義「データ同化A・B」を実施した。前期のデータ同化Aは17名が履修し、データ同化の理論と応用について、その入門から基礎を学んだ。低次元のカオス力学系モデルを使った実習課題に取り組むことで、実際の問題に適用するために必要な実践的な基礎技術を習得した。後期のデータ同化Bは3名が履修し、前期で履修した内容を前提とした上で、データ同化の理論と応用についてその基礎を究め、実際の応用力を養った。履修者の興味に応じて独自に課題を設定した実習を行い、3名がそれぞれデータ同化の理論面、大気モデル及び交通流モデルへの応用の問題に取り組み、様々な問題に直面し解決することを通じて、データ同化に関する理解を深めた。

 

参加メンバー

氏名 所属 職名・学年
坂上 貴之(代表教員) 数学・数理解析専攻 教授
余田 成男 地球惑星科学専攻 教授
三好 建正 理化学研究所 チームリーダー
大塚 成徳 理化学研究所 研究員
小槻 峻司 理化学研究所 研究員

専攻横断型講義「データ同化A」(前期):17名
専攻横断型講義「データ同化B」(後期):3名