無数の小世界をつくって生命の法則にたどり着きたい

日時

2020年11月25日(水) 16:30 - 17:30

 

開催方法

Zoom配信
参加を希望される方は https://forms.gle/TiKQKNTxhqEQrYBM8 から登録してください

 

講師

細田一史 氏
大阪大学 国際共創大学院学位プログラム推進機構 特任准教授
あんさんが研究舎 代表

 

要旨

生物は様々な分子の相互作用によりできており、また生態系の一部として様々な生物や環境要素と相互作用して生きています。このように階層構造を持つ生命システムは扱い困難な大自由度力学系ですが、なんとかして現代の生命観を変えるような法則にたどり着きたい。理論と実験の融合は不可欠であり、そのために世界標準として無数に試される実験生態系(小世界)が必要と信じています。とりあえず1万個は実験したVer.0の詳細と、既に見えている確率性や揺らぎ応答などの結果を紹介します。

 


開催報告

「無数の小世界をつくって生命の法則にたどり着きたい」という題目で大阪大学の細田一史さんにお話しいただきました。

 

生態系の実験的研究の状況を外観するイントロの後、ご自身の研究としてサンプルを凍結保存可能でかつ3種以上の生態系を人工的に構築するという視点を紹介いただきました。その視点で構築した実際の実験系で同じようなサンプルを用意して観測し始めた時に、ある程度時間が経過すると一つの状態にいくのでも、サンプルごとにばらばらの状態にいくのでもなく、個体数で特徴付けられるいくつかの状態に落ち着くというデータを紹介されました。また、このシステムに対応するような個体群ダイナミクスの数理モデルと実験との比較を紹介していただきました。制御できるパラメータが多い実験系ということで、予定を大幅に超えて、今後の実験条件や観測量の種類などについて参加者と質疑応答や意見交換を行なっていただきました。

(文責: 太田洋輝)