コラム『Keep Kwasan Alive!』

コラム『Keep Kwasan Alive!』

物理学・宇宙物理学専攻 准教授 野上 大作

 

1929年、その天文台は花山山に作られた。花山天文台。日本で2番目に古い大学天文台だ。設立当時、日本一の大きさを誇ったクック30 cm屈折望遠鏡は、1969年にカールツァイス45 cm屈折望遠鏡に置き換わった。

1910年に京大が導入したザートリウス18 cm屈折望遠鏡は、今も太陽を観測している。1961年には現在でも日本最大口径70 cmのシーロスタット太陽望遠鏡ができた。しかし、みな、古い。かつては最先端の研究に使われた花山天文台だが、その役割は飛騨天文台と岡山天文台に引き継がれた。

 2020年1月27日、Queenのギタリスト、ブライアン・メイ氏が花山天文台を訪れた。柴田一成・元台長のツテをたどった招待に応えてくれた。柴田氏や職員が天文台を案内した。ブライアン・メイ氏は時に感嘆の声を上げ、質問をし、頷いた。そして帰り際にこう語った。「私は小さいころに星空を見上げて大いなるインスピレーションを受けた。今の子供たちにも是非そういう体験をしてほしい。そのための場所はとても大切だ。 Keep Kwasan Alive!」。そうだ、Queenのデビューシングルは「Keep Yourself Alive」だった。作詞・作曲はブライアン・メイ、その人。

 設立から91年が過ぎた花山天文台。見学や天体観望で多くの市民が訪れる。役割は変わっても、花山天文台は今も子供たちを導く光を放つ。

 Keep Kwasan Alive!

ブライアン・メイ氏と45cm屈折望遠鏡ピラーのサイン