コラム『オープンキャンパスに思う』

コラム『オープンキャンパスに思う』

生物科学専攻(生物物理学教室)准教授 土井 知子

 
 

毎年の恒例行事となったオープンキャンパスで、教室企画の委員を何度が担当している。理学部が参加する当日は、大した仕事はないけれど、配布物、会場、病人対応の部屋などの準備、生徒を誘導して会場へ移動、そして1時間程度の説明会を2回、最後のアンケート収集等でほぼ一日が過ぎる。

 

生物物理の教室企画では、前半に各研究室の分科長がそれぞれの研究紹介を行い、後半で高校生の研究室訪問を受け入れている。後半、高校生たちには、研究紹介を基に自分が興味ある研究室を選んでもらい、その研究室で行われている実験や扱われている研究材料を見学して、限られた時間だけれども現場の雰囲気を感じてもらう計画になっている。今年、私がとても驚いたのが、前半の研究紹介の時の雰囲気でした。36人の高校生が、興味深々というか一心不乱というか、先生のお話を聞いている。それに引き込まれるように講演する側の先生のお話も展開していく。私は、思わず両者を交互に眺めていました。オープンキャンパスに参加してくれる子供たちは、こんなに興味がある生徒さんなんだと改めて実感した次第です。すべてを無事に終了し、映画を見た後のような爽やかな印象が残りました。例年、同じ光景なはずだけど、そこに立ち会った私が違うのか。

 

私は、膜受容体の構造機能研究をしている。やり始めた当初は、大変困難な課題でしたが、ここ10年ほどの間に各種の技術革新があり流れが大変速くなって溺れそうになっている。高校生達の純粋で一生懸命な様子は、きちんと研究に向き会えているか、自分の問いが明確になっているかを尋ねられた気がしました。若い人たちの近くにいると、こんな勉強になる側面があるんだと感じた一日でした。時々、この光景を思い出したいと思います。