巻頭記事『理学研究科長・理学部長就任の挨拶』

巻頭記事『理学研究科長・理学部長就任の挨拶』

理学研究科長就任にあたり

理学研究科長・教授 平島 崇男

 
 

前任の平野先生も指摘されていたように、理学研究科長に就任して2ヶ月ちょっとの間に学内外の多くの会議に出席することによって、様々なレベルでの理学研究科の立ち位置と直面する課題が少し理解できるようになりました。

 

例えば、10大学理学部長会議に参加して感じたのは、京都大学が標榜する自学自習の精神とその高い実践実績は本学の誇りであるとともに、引き続き今後も推進することの一つと思います。最近、文部科学省が大学の授業でのアクティブラーニングの導入を目玉の一つとして提唱し始めましたが、京大理学では学生さんが自主ゼミ等を企画・実践し、アクティブラーニングを先取りしてきた歴史があります。これは、先輩諸氏から受け継がれた良き伝統であり、京大理学の強みを発揮する手段の一つであると強く感じました。来年度の新入生からCAP制が導入され、自由に受講できる科目数に制限がかり、理学の教育理念の一つである「緩やかな専門化」を推進することへの危惧の声も聞かれます。しかし、学部生諸君には各自の興味に即した自主ゼミ等を企画してCAP制で生まれた空き時間を有効に活用していただければと思います。

 

京都大学の課題については「平成30年度監事監査に関する報告書」に纏められています。それによると、教育・研究面を更に充実させるための提言として、「プロボストオフィスのさらなる充実」、「教育・研究面でのさらなる国際化の推進」、「若手教員ポスト拡充のために学系ごとでのテニュア審査基準の制定」などが挙げられています。これらについては既にご存知の方は多いと思います。

 

理学の教職員にそれほど周知されていない提言として、「出産・育児・介護のための長期履修制度の全学的活用」や、「従来の学生相談窓口や留学生や障害を持つ学生への対応策の充実に加え、専門のハラスメント相談室の設置」などが挙げられます。

 

上記の報告書で最も重い指摘は、「e-learning等様々な防止策が取られているにもかかわらず、本学の不正経理事案件数は全国の国立大学法人で最悪」との報告です。理学においても、e-learningの受講率は100%を達成し、教職員の意識の向上は見られますが、報告書においては「一部の不心得な教員による重大案件を防ぐには、担当する事務職員を孤立させないように部局事務組織・部局執行部が一丸となって対応することが必要である」とまで踏み込んでいます。

 

これらの課題への対応は、副研究科長の先生方や事務職執行部との日常的な意見交換を行いつつ、理学の教職員の皆さんとの協働で解決に当たりたいと思いますので、ご協力賜れますようお願い致します。